孔雀文刺繍幡身(くじゃくもんししゅうのばんしん)は正倉院に収蔵されている両面刺繍を施した幡身の断片である。
紫綾に孔雀、果樹、草花などを刺繍した縦長の裂である。地裂の綾には獅子・花・雲・唐草などが織り出されている。夾纈?の文様は9.5cmを1パターンとして繰り返し、緑・黄・赤の繧繝に彩色する。丈4cmごとに横方向に裁断し、細長く帯状に縫い継いだものを使用する。幡身と幡縁の縫い合わせには黄緑の絹糸が並縫が使用される。縫い合わせの下に墨線が書かれる。縫い合わせ位置を示す見当線か、刺繍の両面を仕切る枠線と思われる。
黄色は蛍光X線分析により黄蘖と同定した。赤色、青色の染料に材料は不明であった。黄色部分は茜が示唆された。
- 1946年 - 第1回
- 1951年 - 第5回
- 1959年 - 皇太子殿下御結婚記念、正倉院宝物展(東京国立博物館)
- 1964年 - 第17回
- 1970年 - 第25回 万国博美術館
- 1981年 - 昭和天皇満80歳記念。特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
- 1992年 - 第44回
- 1995年 - 第47回
- 2006年 - 第58回
- 2020年 - 第72回
- 奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』奈良国立博物館
- 田中陽子彦、中村力也、成瀬正和(2008)「染織品」正倉院紀要30号,pp.96-98
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