縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

大歌緑綾袍(おおうた みどりあやのほう)は正倉院に収蔵されている長袖の上着である。

概要

緑色の双龍円文の綾で作られた上着である。袍は奈良時代、官人の正装、楽人の衣装に使われた。表は濃緑綾、裏は白絁を用いて袷仕立てとする。日本古来の大歌という楽の装束である。襟回りは丸く立ち上げる盤領(あげくび)である。筒袖の先に端袖をつける。
裾の両脇にスリットが入るものを闕腋袍(けってきのほう)という。
表地の緑綾に双龍連珠円文を主文として、パルメツトなどを副文とする文様が織り出される。双龍連珠円文は唐代に流行した東西の融合した文様である。連珠文は数珠状に連なった珠が円を描く意匠であり、円の内側に 鳥獣文 狩猟文 樹下動物文や花文を描く。サザン朝ペルシアの「サザン錦」として6世紀頃登場し 東西に伝播した。

来歴

右の袵の裏に「東大寺大歌袍(天平勝宝四年四月九日)」の墨書があり、天平勝宝4年(752)の大仏開眼会の際に用いられたものである。左袖口の裏に「田上王」の墨書があり、着用者の名前とみられる。「大歌」は古来より朝廷に伝わる伝統歌謡である。『東大寺要録』の開眼会の式次第では伎楽などの楽舞に先立って「大歌」があるため、重要度が高いと思われる。

展示歴

  1. 1952年 - 第6回
  2. 1959年 - 正倉院宝物展(東京国立博物館
  3. 1964年 - 第17回
  4. 1979年 - 第32回
  5. 1990年 - 第42回
  6. 2005年 - 第57回
  7. 2022年 - 第74回

管理

  • 名称 :大歌緑綾袍 第1号
  • 倉番 :南倉 118
  • 用途 :服飾品
  • 技法 :染織
  • 寸法 :丈116 幅218
  • 材質:表は濃緑綾 裏は白絁

関連宝物

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』奈良国立博物館
  2. 西川明彦、山片唯華子、成瀬正和(2009)「刀子」正倉院紀要,pp.116-117

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

フリーエリア

よろしければランキング投票してください
にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村

フリーエリア

PVアクセスランキング にほんブログ村

メンバーのみ編集できます