倭国(わこく)は古代において中国や朝鮮が日本を呼び表す名称であった。単に「倭」ともいう。
魏志倭人伝に「男子はみなクジラのような顔で入れ墨を入れている」(「男子無大小 皆黥面文身」)と書かれている。「大小となく」の解釈は年齢説と身分説とがある。
倭人伝には「男子は」と書かれるが、女子は入れ墨をしたかどうか書かれていない。しかし女性の埴輪には顔に色ぬりをしたものがある。線刻の埴輪はなさそうである。男子とは異なる。
筆者の解釈であるが、女子は入れ墨はなく、化粧のための色塗り(ペインティング)と理解される。スウェーデンとハンガリーの研究者は、ボディペイントには昆虫を遠ざけ、病気から人々を守る効果があることを証明している(Gábor Horváthet al(2018))。ペインティングには実用的意味があったとみられる。上野塚廻り古墳群出土埴輪は王位継承儀礼での巫女の顔面彩色である(千田(2014))。
「倭」とは「柔順な」という意味とされる。根拠は『説文?』八上に「順皃なり」(したがう形なり)と書かれる(張莉(2013))。
また段玉裁の『説文解字注』の「倭」項に「倭與委義略同、委随也、 随從也」
(倭と委は義略を同じくす。 委は随なり、随は従ふなり。) と書かれていることである(張莉(2013))。委と「倭」は同じ意味であり、委の意味は「隋」である。「隋」は従うという意味である。すなわち「柔順な」を意味する。
また段玉裁の『説文解字注』の「倭」項に「倭與委義略同、委随也、 随從也」
(倭と委は義略を同じくす。 委は随なり、随は従ふなり。) と書かれていることである(張莉(2013))。委と「倭」は同じ意味であり、委の意味は「隋」である。「隋」は従うという意味である。すなわち「柔順な」を意味する。
魏志倭人伝に「男子はみなクジラのような顔で入れ墨を入れている」(「男子無大小 皆黥面文身」)と書かれている。「大小となく」の解釈は年齢説と身分説とがある。
- 年齢説は「大人も子供も(入れ墨する)」という意味とする。
- 身分説は吉岡郁夫(2021)に代表され、身分に関わらず入れ墨をしているという説である。
倭人伝には「男子は」と書かれるが、女子は入れ墨をしたかどうか書かれていない。しかし女性の埴輪には顔に色ぬりをしたものがある。線刻の埴輪はなさそうである。男子とは異なる。
筆者の解釈であるが、女子は入れ墨はなく、化粧のための色塗り(ペインティング)と理解される。スウェーデンとハンガリーの研究者は、ボディペイントには昆虫を遠ざけ、病気から人々を守る効果があることを証明している(Gábor Horváthet al(2018))。ペインティングには実用的意味があったとみられる。上野塚廻り古墳群出土埴輪は王位継承儀礼での巫女の顔面彩色である(千田(2014))。
- 吉岡 郁夫(2021)『いれずみ(文身)の人類学』雄山閣
- 張莉(2013)『「倭」・「倭人」について』、「立命館白川静記念東洋文字文化研究所紀要」第16号,pp.32-52
- Gábor Horváth, Ádám Pereszlényi, Susanne Åkesson and György Kriska(2019)” Striped bodypainting protects against horseflies”Royal Society .open sci.6, 181325
- 千田稔(2014)「入れ墨が示す海洋民たちの記号」『卑弥呼の招待』,KADOKAWA,pp.196-209
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