古代史の散歩道 - シゲノダン遺跡
シゲノダン遺跡
(しげのだんいせき)は長崎県対馬市にある弥生時代中期から後期の遺跡である。
概要
佐保川西岸の舌状突端部、段畑状の狭小な平坦部に位置し、段畑の崖面に銅鉾の鋒部が露出していたことから発見された。当時国内では出土例がなかった朝鮮系の青銅器が発見され、遺物は国指定重要文化財となった。
国立歴史民俗博物館
の所蔵となっている。
1967年の発見により長崎県教育委員会の依頼で九州大学が調査したが、新たな遺物の発見はなかった。遺跡の性格は祭祀、儀礼と関わる品を埋納する祭祀施設である。
調査
畑の耕作中に偶然に発見した。
遺構
青銅器埋納遺構。板石(0.7m×0.3m)び下の窪みに中に銅矛(75cm)を中心にして多数の青銅器と鉄器を分けて埋納する。
出土
出土品は舶載青銅器、国産青銅器、鉄器が一括で出土した。中国産(貨泉)、朝鮮半島産(把頭金具、馬鐸、鰐形銅器)、国産(変形細形銅剣、中広銅矛、鉄製品)の祭祀具がみられる。
遺物
銅製の把頭類をはじめ鞘先、鐔、馬鐸など朝鮮半島からの将来品や、銅剣、銅矛など儀器化された青銅器類と鉄剣、釶などの実用的な鉄製品の組合わせが特徴である。
中広銅矛
鉄剣 5
鉄矛
鉄鏃 3
双獣付十字形把頭金具
粟粒文十字形把頭金具
異型細形銅剣
銅製鍔金具
銅製鞘先金具2
舌付き馬鐸
貨泉(銭貨、天鳳元年)14
鉄
鉇
?
2
鍔形銅器
矛状鉄器
刀子
鉤状鉄器
鉄製釣針
指定
1980年6月6日(昭和55.06.06) 重要文化財 対馬シゲノダン遺跡出土品
アクセス等
名称: シゲノダン遺跡
所在地:長崎県対馬市(旧:下県郡豊玉村)豊玉町佐保シゲノダン328
交通:
参考文献
長崎県教育委員会(1969)『対馬−シゲノダン・唐崎の青銅器を出土した遺跡の調査報告−』