古代史の散歩道 - ヤコウガイ
ヤコウガイ
(やこうがい, Great Green Turban)はリュウテン属サザエ科に分類される大型の巻貝である。漢字では夜光貝と書かれるが、夜に光ることはない。
概要
貝殻に厚い真珠層があるため
螺鈿
の材料として使われる。殻高15cm、殻径20cmほどでサザエ類の中では最大の巻貝である。貝殻の内面は美しい真珠光沢に覆われる。
正倉院の宝物の螺鈿はほとんどがヤコウガイの貝殻で作られている。
分布
種子島、屋久島、沖縄、台湾、海南島、フィリピン諸島、パラオ諸島、北部オーストラリア沿岸熱帯海域に分布し、水深30m以浅、5m〜20mの比較的浅いサンゴ礁斜面に生息する。海藻類などを食べて生息する。
利用
『枕草子』に、貴族たちが宴会でヤコウガイを杯として利用している場面がある。
ヤコウガイ製の匙は韓国の旧「伽耶」地域の池山洞古墳群44号墳から出土した。
正倉院
貝玦
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- ヤコウガイの貝殻を切り抜いて磨き、薄く作った装飾品。
貝環
- ヤコウガイの殻を切り抜いて磨いた飾り具。
平螺鈿背八角鏡
平螺鈿背円鏡
螺鈿紫檀阮咸
- 胴部の螺鈿のヤコウガイの殻を使用する。
桑木木画碁局
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