古代史の散歩道 - 黄銅合子
黄銅合子
(おうどうのごうす,Lidded Brass Bowl with Pagoda-shaped Knob)は
正倉院
に収蔵されている五重相輪形の鈕をつけた塔形の合子である。
概要
仏前で香を入れる金属製の容器である。
由来
構成
塔型の鈕(つまみ)と球形の胴部をもち、末広がりの脚をもつ。
材料
鈕の装飾性に優れ、相輪の間の柱(刹)にガラス玉を嵌めている。鈕と蓋、身と台脚は座金と鋲を駆使して接合する。黄銅製で銅75%、亜鉛25%、鉛5%の組成である。
類例
アショカ王時代のインド(紀元前三世紀)に類例がある。塔鋺形合子と呼ばれる。
展示歴
1954年 - 第8回
1959年 - 正倉院宝物展(東京国立博物館)
1967年 - 第20回
1973年 – 第26回
1986年 - 第39回
2006年 - 第58回
2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(
東京国立博物館
)
管理
名称 :黄銅合子
倉番 :南倉 30
用途 :仏具
技法 :金工
寸法 :径8.5cm,高15.9cm,重406.1g
材質:黄銅鋳造 相輪・座金は黄銅・銀 ガラス玉象嵌
参考文献
「[年次報告](1986) 第8号,pp.51-52