古代史の散歩道 - 花鳥背円鏡
花鳥背円鏡
(かちょうはいえんきょう,Round Mirror with low-Relief Decoration of Flowers and Bords)は
正倉院
に収蔵されている白銅鋳製の
銅鏡
である。
概要
約30センチと大サイズの円鏡である。
鏡の背面に素文の円形鈕から放射状に瑞雲を涌き立させ、さらにその先に飛鳥と花卉を配す。紐の周囲に六つの花形を配し、その間から瑞雲が入り込む。細部には微妙に変化をつけ、単調な繰り返しを避ける。六つの花形の隙間に蝶を配置する。
材料
蛍光X線分析
により銅70%、錫25%、鉛5%の高錫青銅と判明した。そのほか鉄、ニッケル、ヒ素、銀などを含んでいる。
由来
国家珍宝帳
に記載された品である。
展示歴
1961年 - 第14回
1973年 - 第26回
1986年 - 御在位60年記念『日本美術名宝展』(
京都国立博物館
)
2017年 - 第65回
管理
名称 :円鏡 花鳥背 第15号
倉番 :北倉 42
用途 :調度
技法 :金工
寸法 :径31.7 縁厚0.8 重4061
材質:青銅鋳造(銅約70%・錫約25%・鉛約5%)
参考文献
奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』
奈良国立博物館
三宅久雄・成瀬正和・西川明彦(1994)「鏡」年次報告、正倉院紀要,pp.61-62