古代史の散歩道 - 宮山塚古墳
宮山塚古墳
(みややまつかこふん)は、奈良県生駒郡平群町椿井に位置する5世紀の
円墳
である。
概要
椿井の氏神、春日神社の西側隣接地に所在する近畿地方で最古級の
横穴式石室
を備えた古墳である。埋葬施設は短い
羨道
と平面正方形のドーム状天井を備えり片袖式石室である。石室は初期横穴式石室の特徴をもつ。東西(径)26メートル・南北24メートル・高さ約7.1メートルの規模である。被葬者は不明である。
土塁
墳丘の北東には基底部幅が7m、上部幅2m、高さ2.5mの土を盛り上げた土塁が取り付き、15m先まで伸びる。春日神社の境内北側から東に上った丘陵上にある椿井城中央 に 取り付く虎口(入口)を防御する楼台として利用されていたと考えられる。
調査
発掘調査:未。
遺構
主体部は南に開口する横穴式石室で、玄室は長さ4.2m、幅2.9m、高さ3.2m。羨道は長さ0.8m、幅1m、高さ0.5mとかなり小規模である。奥壁中央の上下2ヶ所に、石材を窪ませた場所があり、燭台を配置する龕状施設の可能性が指摘される。天井石がない。初期の横穴式石室でこのタイプはきわめて珍しい。
遺物
出土遺物は不明である。
指定
1969年(昭和44年)に奈良県指定史跡に指定される。
アクセス
名称:宮山塚古墳
所在地: 〒636-0911 奈良県生駒郡平群町椿井1505番地
交 通: 近鉄生駒線竜田川駅から徒歩10〜14分。平群駅から徒歩14分
参考文献
大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
青木敏(2022)『古墳図鑑』日本文芸社