古代史の散歩道 - 狗邪韓国
狗邪韓国
(くやかんこく)は、『
魏志倭人伝
』に記載された3世紀中頃の国のひとつである。
伽耶
の中の国の一つである。
概要
3世紀の朝鮮の弁辰十二国のうちの一つであり、『三国志』韓伝に記載される「弁辰狗邪国」と同じである。後の金海加羅、金官加羅である。帯方郡から対馬国に至る間にある。狗邪韓国は倭と朝鮮半島の帯方郡への通交の中継地となっていた。玄界灘をはさんだ狗邪韓国と末盧国が出入国の窓口であった。
倭の北岸
倭人伝に「倭の北岸」と記載されたのは、当時において韓人に混じって倭人が住んでいたからとの説がある。狗邪韓国は『三国志』韓伝に「弁辰狗邪国」として登場するので、倭の範囲とは認識されていなかったと理解できる。
比定場所
現在の韓国金海市である。
魏志倭人伝
大意
帯方郡から倭国に至るには海岸を水行し、韓国をへて南に向かい、その北岸の狗邪韓國に到達する。
『倭人伝』原文
從郡至倭 循海岸水行 歴韓国 乍南乍東 到其北岸狗邪韓國
遺跡
会峴里貝塚
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良洞里遺跡
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大成洞遺跡
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府院洞遺跡
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池内洞遺跡
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茶戸里遺跡
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参考文献
鳥越慶三郎(2020)『倭人倭国伝全釈』KADOKAWA
石原道博編訳(1951)『新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝』岩波書店