古代史の散歩道 - 紫檀木画槽琵琶
紫檀木画槽琵琶
(したんもくがそうのびわ, Red Sandalwood Biwa-type Lute with Marquetry Decoration)は
正倉院
に収蔵されている木画で装飾された四絃の琵琶である。
概要
象牙や黄楊木、
紫檀
、錫を使用した
木画
で装飾し、捍撥に騎馬狩猟の人物を描いた革を貼る四弦四柱の
琵琶
である。主な木材は
紫檀
、絃門と海老尾は
柘植
?
木材である。第1号は「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶 第1号」、第2号は「紫檀木画槽琵琶」、第3号は「木画紫檀琵琶」(「紫檀木画槽琵琶」)、第4号は「紫檀槽琵琶」の名称である。
構成
捍撥には革を張り橙色の下地を施し、下段に投げ縄、鉾、弓矢で虎を追う3名の人物による騎馬狩猟の風景、中段に獲物を運ぶ人物、獲物を食べながら音楽を奏で酒宴をする6名の人物、上段に馬に乗り弓で虎を射る人物と立ち向かう虎を細密に描く。宝物の化学分析により
鉛丹
?
、
鉛白
?
、
緑青
?
、群青、石黄、朱、臙脂などの顔料の使用が判明した(参考文献2)。
展示歴
第2号
1947年 - 第2回
1949年 –
東京国立博物館
、御物特別展。
1955年 - 第9回
1966年 - 第19回
1982年 - 第34回
1990年 - 『日本美術名品展』(東京国立博物館)
1996年 - 第48回
2009年 – 第61回
2019年 - 東京国立博物館、即位記念
第3号
1948年 - 第3回
1960年 - 第13回
1967年 - 第20回
1978年 - 第31回
1986年 - 御在位60年記念『日本美術名宝展』(
京都国立博物館
)
1998年 - 第50回
2015年 - 第67回
管理
紫檀木画槽琵琶 第2号
名称 :紫檀木画槽琵琶 第2号
倉番 :南倉 101
用途 :楽器・楽具
技法 :木竹工
寸法 :全長98.7 最大幅41.7
材質:槽・磯・転手・鹿頸は紫檀、覆手は楓、海老尾・絃門は黄楊木、腹板は環孔材、槽に木画(象牙・緑染鹿角・紫檀・黄楊木・檳榔樹・錫)、捍撥・落帯は革、彩絵(丹下地・緑・青・赤・白・茶) 油塗
紫檀木画槽琵琶 第3号
名称 :紫檀木画槽琵琶 第3号
倉番 :南倉 101
用途 :楽器・楽具
技法 :木竹工
寸法 :全長98.5cm,最大幅40.7cm
材質:槽・磯・転手・鹿頸は紫檀、覆手はイチイ、海老尾・絃門は黄楊木、腹板は環孔材 槽に木画(象牙・緑染鹿角・紫檀・
黒柿
・黄楊木)、捍撥・落帯は革 彩絵(橙下地・緑・青・赤・白) 油塗
参考文献
奈良国立博物館(2008)「正倉院展60回のあゆみ」奈良国立博物館
木村法光、成瀬正和、西川明彦(1991)「X線分析による宝物の材質調査」(「年次報告」)正倉院紀要 第13号,p.70-73