古代史の散歩道 - 神戸遺跡
神戸遺跡
(かんべいせき)は、三重県津市にある弥生時代、古墳時代から平安時代の複合遺跡である。
概要
安納川中流域右岸の標高5mから7mの沖積地に広がる。神戸遺跡は三重県のほぼ中央の津市にあり、昭和54年に河合良成氏により発見された遺跡である。遺跡の範囲は東西1500m、南北800mとされている。北側は南河路の集落付近、南側は岩田川である。
調査
三重県松坂市下村町の宅地開発工事に伴い、2023年2月9日から3月18日まで、約266平方メートルを対象に発掘調査を実施した。三重県の松阪市文化財センターは「出土遺物の特徴から集落が営まれた時期は約1700年前の弥生時代後期末と考えられる。完全な形を保った土器も数点あり、弥生時代の生活を研究する上で貴重な資料になる」としている。
遺構
弥生時代の環濠は幅約2m、深さ約1.6m。当時の集落を囲むように掘削された大規模な溝とみられる。
古墳時代の遺構としては、掘立柱建物が検出された。
遺物
溝の中から壺や高坏など多量の土器が出土した。井戸跡からは完全な形を保った壺を掘り出した。
台付甕
須恵器杯
土師器
黒色土器
灰釉陶器
緑釉陶器
類例
指定
アクセス
名称:神戸遺跡
所在地:三重県津市南河路
交 通:近畿日本鉄道名古屋線津新町駅からバス「南河路」下車。徒歩3分。
参考文献
文化庁(2022)『発掘された日本列島2022』共同通信社
「
弥生時代の環濠見つかる
」三重新聞、2023年3月25日
三重県埋蔵文化財センター(1999)『三重県埋蔵文化財調査報告193:神戸遺跡発掘調査報告』三重県埋蔵文化財センター