古代史の散歩道 - 太安万侶
太安万侶
(おお の やすまろ、? – 723年)は
飛鳥時代
から
奈良時代
の官人である。
『古事記』を編纂した人物として知られる。
概要
名は「安麻呂」とも書く。古代の豪族「多(おお)氏」の出身で、安万侶の時代に「多」を「太」に改めた。「太安万侶は伝説上の人物で、実在しなかった」という説が一部にあったが、墓誌の発見で存在が実証された。
民部卿
『続日本紀』によると、平城京の文官として登用され、705年従五位下となる。715年に従四位下となり、民部卿となった。
古事記の執筆編纂
711年9月、
元明天皇
?
は太安万侶に『古事記』の編纂を命じた。安万侶は類い希なる文才によって、上中下巻からなる『古事記』を4ヶ月で完成させ、712年1月に元明天皇に献上した。舎人親王を総裁とした『日本書紀』の撰修にも参画したと言われる。
関連事項
太安万侶墓誌
参考文献
太田亮(1942)『姓氏家系大辞典』磯部甲陽堂
坂本太郎, 井上光貞,家永三郎,大野晋 (1994)『日本書紀』岩波書店
井上光貞、佐伯有清、川副武胤(2020)『日本書紀』中央公論新社
黛 弘道(2009)『物部・蘇我氏と古代王権』吉川弘文館