古代史の散歩道 - 彫石横笛
彫石横笛
(ちょうせきのおうてき)は、
正倉院
に保存されている蛇紋岩製の横笛である。
概要
国家珍宝帳
に記載されている楽器である。
横笛
はインドに起源があり、漢代に中国に伝わったとされる。基本は竹製であるが、本品は
蛇紋岩
を用い、節から生えた小枝など、竹の姿を表す。竹笛を模している。全面に花喰鳥、雲、飛雲などの文様を表し、吹口と七個の指孔をあける。黒班のある灰緑色の石材が使用される。X線回析により蛇紋岩と確認された。
頭と本体は一体ではなく、別々の蛇紋岩を使用し、接着剤で接合している。
管理
名称:彫石横笛
倉番:北倉 33
用途: 楽器・楽具
技法:石製品
寸法:長37.1 筒口の径上2.1 下2.2
材質・技法 :蛇紋岩
出展歴
名称:彫石横笛
1956年 - 第10回
1964年 - 第17回
1970年 - 第23回
1980年 - 第33回
1991年 - 第43回
2002年 - 第54回
2015年 - 第67回
参考文献
奈良国立博物館
(2008)『正倉院展60回の歩み』奈良国立博物館
「年次報告」『正倉院紀要』,第8号,p61
詫間裕(1988)「正倉院石製宝物の工芸技法について」『正倉院紀要』,第10号,p14