装飾に技巧を凝らした木製の箱。素材は黒柿材。外面に蓋・身とも沈香の薄板を貼る。各面を紫檀の木画帯で内外2区画に分ける。沈香貼の部分に金泥で山水を描く。蓋裏は同様に金銀泥で木理文を描く。内側に水晶の板を貼る。
各面の中央に伏彩色のある水晶板を配し、木画や沈香・紫檀の薄板で囲む。水晶の部分は極彩色で動物や草花を描く。床脚は象牙製。鳥獣葡萄唐草文を透かし彫りする。
逆印籠蓋造り?による長方形の木製床脚つき献物箱である。床脚には花弁文の紺牙撥鏤を貼る。蓋表、箱の側面は象牙の線、
黒檀、矢羽根文の緻密な
木画で界線でにより6区画に区分する。木画には金、錫、
紫檀、
黒檀、
象牙、緑染鹿角、
柘植?が用いられ、色調の異なる多種多様な素材を用い、幾何学文様をあらわす。
菱形に切った沈香を敷き詰める。中に黄赤地小花文錦製の内張りが残る。
木画による献物箱の内で最も精巧な装飾である。