木津川を望む段丘上に立地する古墳時代前期初頭の前方後円墳である。昭和28年、古墳の後円部を南北に走る国鉄奈良線(現JR奈良線)の法面拡幅工事が行われた際に、偶然に竪穴式石室が発見された。その後の発掘調査により石室内から、邪馬台国の女王卑弥呼の鏡とも呼ばれる「三角縁神獣鏡」三十数面を含む四十面近い銅鏡や多くの副葬品が出土し、全国的に大きな注目集めた。後円部は四段からなり、最下段が花こう岩の岩盤を削り出して造られ、二段目から上を盛土で造り、表面に葺石をもつ。最古の前方後円墳と目される奈良県
箸墓古墳の3分の2の相似形であることが知られた。