古代史の散歩道 - 土器
土器(どき)は粘土に水を加え、こねて均質に仕上げた材料(素地,坏土)を,可塑性を利用して造形し、よく乾燥させてから焼き上げた器である。
概要
古墳時代の土器には、
土師器
と呼ばれる赤茶色の土器と、
須恵器
と呼ばれる灰色の土器がある。須恵器を生産開始して以降も土師器は使われ続けた。土師器は主に煮炊きや食器などに使用され、須恵器は貯蔵や供膳などに使われていた。用途によりそれぞれが使い分けられた。
土師器
は700度から800度位の低温で焼いたものである。低温で焼くので、割れやすい。
須恵器
は1200度から1300度の高温で焼かれる。「須恵器」は直接火にかけると割れやすいので、貯蔵用・食器用として使われた。
材料の違い
奈良文化財研究所は
土師器
と
須恵器
とを化学的に分析したところ、土師器には田んぼの粘土を用い、須恵器には山の粘土を使うという材料の違いがあったと発表した。
参考文献
「土師器と須恵器、原料の違いは? 決め手はある物質」
朝日新聞,2020年11月25日