古代史の散歩道 - 藤氏家伝
藤氏家伝
(とうしかでん)は奈良時代後半に成立した藤原氏の家史である。
概要
上巻と下巻からなる。
藤原鎌足
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伝は「大織冠伝」とも言われる。
藤原不比等
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伝は失われている。上巻は「大師」すなわち太政大臣である
藤原仲麻呂
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が編纂を主導したとみられる。下巻は華厳宗の学僧である延慶の執筆編集とみられる。延慶は藤原仲麻呂の家僧と想定されている。藤原仲麻呂が祖先の顕彰を目的として編纂したとみられる。
構成
構成は以下の通りである。
上巻
藤原鎌足伝
貞慧伝
下巻
武智麻呂伝
成立
天平宝字四年(760年)から天平宝字六年(762年)頃に成立した藤原氏の家史である。
『日本書紀』との関係
鎌足伝と『日本書紀』との関係は横田健一氏の見解がほぼ通説となっている。
参考文献
沖森卓也, 佐藤信, 矢嶋泉 (翻訳)『現代語訳 藤氏家伝』筑摩書房
横田健一(1973)『白鳳天平の世界』創元社
横田健一(1973)「大化の改新と藤原鎌足」史林42 (3),pp.82-411