専攻は朝鮮史。金石文・文献史料双方に精通し、朝鮮古代史の先達として活躍した。
末松保和の研究を継承する。広開土王碑の研究で知られ、数多くの拓本を収集した。
広開土王碑?に関する「好太王碑改竄説」や解釈が成り立たないことを論証した。中国正史に見られる「倭の五王」遣使記事を検討し、当時の倭国の大王が中国王朝に対して「倭」という姓を名乗っていたことを指摘した。『新羅中古期の史的研究』では朝鮮半島の古代史で主導的役割を担った新羅について、とくに飛躍的な発展を見せた新羅中古期(514〜654年)を中心に考究した。陸続と発見された各種の新羅碑文を諸史料とともに精緻に読み込むことにより、当時の激動する東アジアの国際関係における、新羅の史的実態とその展開過程を明らかにした。
武田氏は高句麗王家を分類し、「伝説王系」と「大王王系」に分類した。