古代史の散歩道 - 粉地彩絵八角几
粉地彩絵八角几
(ふんじさいえのはっかくき,Lacquered Hide Mirror-case)は、
正倉院
に保存されている仏前に供物を献ずるための台机である。
概要
几は物をのせるための台を意味する(献物台)。
天板は八角形に作り、刳り形のある床脚を立てて
香狭間
?
を透かす。天板表裏に緑青を塗るほかは、全体に暈繝彩色で華麗な花文を描く。
使用するときは天板に褥を敷き、その上に献物を乗せる。宝庫の几には献物の種類により、天板が方形、長方形、州浜、六陵、八花、長花などの形がある。材は檜の外、
黒柿
、桜、ツゲ、カヤなどが用いられる。
第11号
第11号粉地彩絵八角几は桧材で、天板、台輪とも八角形である。各陵に束を立て、八か所の格狭間を透かし、彩色は天板表面を緑青、黄、白、紫、朱、丹、などの
暈繝
?
配色による花葉文を描く。台輪の上面は蘇芳地に覗き花文を描き、各花文の輪郭を赤色線でくくる。当時の仏像彩色と共通した手法である。
管理
名称:粉地彩絵八角几 第11号
倉番:中倉 177
用途:仏具
技法:木竹工
寸法:径41.0 高9.3
材質・技法 :檜 彩色(緑・萌黄・橙・淡紅 赤系・青系・緑系・紫系暈繝)
出展歴
1940年 - 正倉院御物特別展(帝室博物館)
1946年 - 第1回
1964年 - 第17回
1977年 - 第30回
1981年 - 特別展『正倉院宝物』(
東京国立博物館
)
1992年 – 第44回
1995年 - 第47回
2009年 -『皇室の名宝―日本美の華』二期(東京国立博物館)
2019年 - 第71回
参考文献
奈良国立博物館
(1977)「第30回正倉院展目録」奈良国立博物館