古代史の散歩道 - 緑牙撥鏤把鞘御刀子
緑牙撥鏤把鞘御刀子
(りょくげばちるのつかさやのおんとうす)は
正倉院
に収蔵されている帯から下げる佩飾品の小刀である。
概要
国家珍宝帳
に所載される品である。
国家珍宝帳
の
赤漆文欟木御厨子
の納物として記載される刀子六口の一つ「小一口 緑牙撥鏤把鞘 金銀作」に当たる。
把と鞘を象牙で造つて染め、表面を彫って鳥や花の文様を作る。把と鞘は紺色染も象牙で、一材で作る。
蛍光X線分析
で鞘金具、把口金具で金、水銀、銅が検出された。
撥鉚
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の個所ではカルシウム、リンが検出された。撥鉚の赤い個所から鉛丹が使用されていることが判明した。刀身は大刀と同様の鍛錬が施される。
展示歴
1956年 - 第10回
1983年 - 第35回
1996年 - 第48回
2009年 - 第61回
管理
名称 :緑牙撥鏤把鞘御刀
倉番 :北倉 5
用途 :服飾品
技法 :牙甲角
寸法 :把長9.0 鞘長14.0 身長7.9 茎長2.6
材質:把・鞘は象牙 紺染 撥鏤 紅色点彩 金具は金銅装
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参考文献
奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』奈良国立博物館
西川明彦、山片唯華子、成瀬正和(2009)「刀子」正倉院紀要,pp.116-117