概要
1987年の論文「古墳時代の時期区分をめぐって」(考古学研究会第33回総会研究発表--統一テーマ「考古学における時期区分・時代区分」考古学研究 / 考古学研究会編集委員会 編 34(2)))は、古墳の編年研究に大きな影響を与えた。2022年3月、古墳壁画の保存活用に関する専門家の会合の座長を務めた。同会合の基本構想案で新施設を作り高松塚古墳の出土資料を集約して保存する計画である。展示室のほか講演会や体験学習を催すスペースを設け、国内外の研究機関と連携して日本の壁画を総合的に調査研究する施設である。和田氏は「明日香の古代遺産を包括して紹介する拠点にしてほしい」と語る。大阪府高槻市にある闘鶏山古墳(4世紀前半)の未盗掘前期古墳について、古墳研究で著名な和田晴吾館長は「合掌形の石槨は地震などで崩れやすい。壊れず完全に残っている点で特に貴重だ」と語る。さらに「(未盗掘古墳は)地域差も大きい。山城地域(現在の京都府南部)は盗掘集団がおり未盗掘はまれだが、残りのよい地方もある」と語る。
西宮市津門大塚町のアサヒビール工場跡地の地中から、8基の古墳が見つかったことについて「西宮市内の平野部はほとんど古墳が残っておらず、今回の発見は「当時の阪神間地域の社会情勢を探る手がかりになる重要な史料となる」と語る。