縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

万葉集(まんようしゅう)は、7世紀から8世紀にかけて成立したとみられる現存するわが国最古の歌集である。

概要

全20巻。約4500首の歌を収録する。

構成

「雑歌」「相聞」「挽歌」に分類される。「雑歌」は行幸、遊宴、旅などさまざまな場面の歌が含まれる。「相聞」は主に男女の愛情を歌うが、親子・兄弟姉妹・友人など親密な間柄の唄もある。「挽歌」は人の死を悼む歌である。歌の作者は無名の民衆から大詩人・貴族・天皇に及ぶ。

写本

「万葉集」の原本は発見されていない。20巻すべてが揃う最古の写本は、鎌倉時代後期の写本であり「西本願寺本万葉集」といわれる。
万葉集の伝本は訓読の歴史の順、つまり加点の順に古点本、次点本、新点本と分類される。天暦5年(951年)年の詔によって源順等梨壷の五人が加点したという古点本は現存せず、次点本では桂本が最古の写本といわれる。嘉暦伝承本、藍紙本、元暦校本など十種ほどを数えるが、いずれも完本はない。
平安時代の『万葉集』書写本のうち、「元暦校本」「桂本」「藍紙本」「金沢本」「天治本」を「五大万葉集」と呼ぶ。「元暦校本」は巻第20に元暦元年(1184年)に校合したとする奥書があるからである。これらの中ではもっとも歌の数が多く、能書による寄合書になることなどから、特に重要視される写本である。広瀬本万葉集は、今から二百十余年前の天明元年(1781年)に写されたもので、最近発見された。紀州本万葉集は第一巻から第十巻までは鎌倉時代末期に書写されたものであり、古い形式を留めている。また第十一巻から第二十巻までは室町時代末期に書写により補ったとみられる。
  • 桂 本(平安時代中期)
  • 藍紙本(平安時代中期)
  • 元暦校本(平安時代中期)
  • 天治本(平安時代後期)
  • 金沢本(平安時代後期)
  • 類聚古集(平安時代後期)
  • 尼崎本    (平安時代後期)
  • 尼崎本(平安時代末期)
  • 類聚古集 (平安時代末期)
  • 金沢文庫本 (室町時代初期)
  • 栂尾類切   (室町時代後期〜江戸初期)
  • 嘉暦伝承本(鎌倉時代初期)
  • 古葉略類聚鈔(鎌倉時代中期)
  • 春日本 (鎌倉時代中期)
  • 伝壬生隆佑筆本(鎌倉時代中期)
  • 西本願寺本(鎌倉時代後期)
  • 紀州本(1〜10巻 鎌倉時代末期 11〜20巻 室町時代後期)
  • 伝冷泉為頼筆本 (室町時代)
  • 神宮文庫本 (室町後期)
  • 大矢本 (室町末期)
  • 温故堂本 (室町末期)
  • 細井本 (江戸初期)
  • 京都大学本 (江戸初期)
  • 活字無訓本 (江戸初期)
  • 活字附訓本 (江戸初期)
  • 寛永版本 寛永20年(1643)

参考文献

  1. (校注)佐竹昭広,山田英雄,工藤力男,大谷雅夫,山崎福之(2016)『万葉集(全5冊)』岩波書店

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