縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

佐波理加盤(さはりのかばん,Mixed Metal Alloy Nested Bowl Set with Lid)は正倉院に収蔵-されている佐波理による蓋付きの鋺である。

概要

佐波理は銅と錫の合金である。「加盤」は、五重、八重という風に鋺を重ねて入れ子にしたものであり、正倉院には86組、436口が伝わる。
器部の厚みは口唇部と底部中央を除くと、ほとんどが0.5mm以下である。口唇部は最大4から5mmの厚みをもつ。

第1号

轆轤仕上げの椀10口を入れ子に重ね、蓋を載せる。口端は端反としている。第1椀のみは高台を作り出す。蓋は大きく三段に面取りをする。上部に高台に似るつまみを作る。

第6号

蓋と身に高台が付き、蓋は逆さにすると器として使用できる。身には8口の鋺が入子状に収まる。蓋の外面には墨書で「八重 加盤二口」などと記されている。

第7号

第15号

新羅で製作されたと考えられる佐波理製の鋺である。4口の平底鋺が入子状に収まっている。外側椀の外面に墨書で「五」と記される。鋺と鋺の間に、

第34号

高台を作らず、平底とする。5口の鋺が入れ子状に収まる。他のセットに付属する文書から新羅製と考えられる。

由来

新羅で作成された文書の反故紙が、緩衝材として挟まれていたため新羅製と考えられる。

材料

組成は銅80%・錫20%である(参考文献1)。第2号の蓋では銅80-85%、錫10-15%、鉛2-3%、ヒ素0-5%である。

展示歴

第1号

  1. 1988年 – 第40回

第3号

  1. 1948年 – 第3回
  2. 1961年 – 第14回
  3. 1971年 – 第24回

第6号

  1. 2005年 - 美の国日本(九州国立博物館)
  2. 2018年 - 第70回

第7号

  1. 1983年 - 『日本の金工』(東京国立博物館)

第15号

  1. 2002年 - 第54回
  2. 2018年 – 第70回

第34号

管理

第1号

  • 名称 :佐波理加盤 第1号
  • 倉番 :南倉 47
  • 用途 :飲食具
  • 技法 :金工
  • 寸法 :径14.2cm 総高14.3cm
  • 材質:青銅鋳造 轆轤挽

第6号

  • 名称 :佐波理加盤 第1号
  • 倉番 :南倉 47
  • 用途 :飲食具
  • 技法 :金工
  • 寸法 :径17.7cm,総高14.4 cm
  • 材質:青銅鋳造 轆轤挽

第7号

  • 名称 :佐波理加盤 第15号
  • 倉番 :南倉 47
  • 用途 :飲食具
  • 技法 :金工
  • 寸法 :径17.1cm,総高14.0cm
  • 材質:青銅鋳造 轆轤挽

第15号

  • 名称 :佐波理加盤 第15号
  • 倉番 :南倉 47
  • 用途 :飲食具
  • 技法 :金工
  • 寸法 :径22.0cm,高9.2cm
  • 材質:青銅鋳造 轆轤挽

第34号

  • 名称 :佐波理加盤 第34号
  • 倉番 :南倉 47
  • 用途 :飲食具
  • 技法 :金工
  • 寸法 :1:径16.1 高7.0  2:径15.4 高6.7  3:径14.4 高6.4  4:径13.5 高6.2  5:径12.8 高5.9
  • 材質:青銅(銅80%・錫20%)鋳造 轆轤挽

参考文献

  1. 正倉院(1991年)「年次報告 X線分析による宝物の材質調査」正倉院紀要第13号,pp.76-80

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