前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん,circular‐shaped ancient tomb with rectangular frontage)は前部が方形で後部が円形の古墳である。
円形の墳丘と,方形の墳丘とをつなぎ合わせた形状である。名称は蒲生君平『山陵志』で「必象宮車而使前方後円」という記述から命名された(参考文献1)。日本独特の古墳形状である。3世紀中から7世紀初にかけて作られた。円形部を後円部,方形部を前方部と呼び、接際部をくびれ部と呼んでいる。
なお朝鮮半島の西南部の栄山江流域においても、前方後円墳が10数基が確認されている(参考文献2)。被葬者は倭人将軍説や、亡命倭人説、百済王権内の倭人官僚説など、諸説ある。
なお朝鮮半島の西南部の栄山江流域においても、前方後円墳が10数基が確認されている(参考文献2)。被葬者は倭人将軍説や、亡命倭人説、百済王権内の倭人官僚説など、諸説ある。
朝鮮半島南部に日本と似たタイプの前方後円墳が13基から15基存在する。前方後円墳は半島南西部・栄山江流域に集中する。築造時期は5世紀後半〜6世紀前半である。新徳古墳1号墳は1991年頃に盗掘を受け、犯人は石室の南西側の壁を突き破った。内部の遺物を動かし、金属付きの工芸品や大きな土器類などのみを持ち出し、残りを放り投げた。石室の壁は損傷され、床の遺物は踏まれて砕けた。遺体を収めていた木棺の棺材と、頭骨や歯などの遺骨が混じりあい、盗掘の穴の近くに鉄器や陶磁のかけらが散乱する。副葬品はつぶれていたが、冠帯に木の葉の装飾が珠の荘厳とともに付いていた金銅冠の破片がある。環頭大刀や緑色や黄色のガラス板を重ねて付けていた外国産の練理紋の珠などは、公州の武寧王陵を思わせる東南アジア産の高級品であった。石室の入口の羨道(墓道)の床からは、祭祀で使われた真鯉の骨の入った壺や様々な供え物を入れたふた付きの皿(蓋杯)が大量に発見された。
盗掘犯たちは、旧朝鮮総督府の建物にあった国立中央博物館の東門に盗掘した鉄器類の箱を置いて立去った。回収した箱の中にあった遺物は、鉄器の刀の柄だった。墓の内部に残っていた刀の刃と合わせるとぴたりと合い、副葬品と確認された。犯人は1993年9月に逮捕された。土器や兜など65点の「百済の遺物」を持ち去っていた。
盗掘犯たちは、旧朝鮮総督府の建物にあった国立中央博物館の東門に盗掘した鉄器類の箱を置いて立去った。回収した箱の中にあった遺物は、鉄器の刀の柄だった。墓の内部に残っていた刀の刃と合わせるとぴたりと合い、副葬品と確認された。犯人は1993年9月に逮捕された。土器や兜など65点の「百済の遺物」を持ち去っていた。
No | 名称 | 所在地 | 規模 | 埋葬施設 | 葺石 | 埴輪 | 調査 |
1 | 長鼓峰古墳 | 海南半島 | 76m | 九州系横穴式石室 | ? | ? | ○ |
2 | 龍頭里古墳 | 海南半島 | 41.2m | 九州系横穴式石室 | ○ | ? | ○ |
3 | チャラボン古墳 | 海南半島 | 37m | 竪穴系横口式石室 | × | × | ○ |
4 | 明花洞古墳 | 栄山江流域 | 33m | 横穴式石室 | × | ○ | ○ |
5 | 月桂洞1号墳 | 栄山江流域 | 45.3m | 九州系横穴式石室 | × | ○ | ○ |
6 | 月桂洞2号墳 | 栄山江流域 | 33m | 横穴式石室 | × | ○ | ○ |
7 | 月田古墳 | 栄山江流域 | 47.5m | 横穴式石室 | ? | × | ○ |
8 | 月城山1号墳 | 栄山江流域 | 24m | 不明 | ? | ? | ○ |
9 | 新徳1号墳 | 栄山江流域 | 51.4m | 九州系横穴式石室 | ○ | × | ○ |
10 | 杓山1号墳 | 栄山江流域 | 46m | 九州系横穴式石室 | ○ | × | ○ |
11 | 長鼓山古墳 | 栄山江流域 | 68m | 九州系横穴式石室 | ? | ○ | ○ |
12 | 月桂古墳 | 蘆嶺山脈以北 | 41.2m | 不明 | ? | ? | × |
13 | 七岩里古墳 | 蘆嶺山脈以北 | 56m | 不明 | ○ | ○ | ○ |
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