縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

長斑錦御軾(ちちょうはんきんのおんしょく,)は正倉院に保存されているに包まれた長方形のひじ掛けである。

概要

国家珍宝帳に記載された品である。筵状のものを箱形に固く束ね、表に長斑錦を貼った(参考文献1)。長斑とは織物の地色を、二色または数色を縦に区画して縞目に表わすことをいい、錦で長斑を表すものを長斑錦という。浅緑と紫の帯を交互に並べ、間に白地の帯をはさむ。浅緑と紫の帯は四弁の唐花文と双鳥文を表す。双鳥文は二羽の鳥が向かい合う文様である。牡丹のような形の唐風の花を唐花という。御軾はひじ掛けのことである。

材料

上面は唐花文錦、側面と底面は縦縞状の地に花鳥文を表すが貼られる。X線透過撮影により、内部構造は真菰様の植物繊維を麻で編んだものを束にして芯とし、上面と側面を絹綿のような柔らかいもので覆ったものを麻布で包んだうえに、数か所を平紐でしばり、最後に表に錦を張る構造が判明した(参考文献1)。明治に修理され、再度、糊で張り付けられている(参考文献2,p.82)。地の紫糸がすり減り、緑糸が露出している個所が多くある。

展示歴

  1. 1965年 - 第18回
  2. 1982年 – 第35回
  3. 1996年 - 第48回
  4. 2006年 - 第58回
  5. 2021年 - 第73回

管理

  • 名称 :長斑錦御軾
  • 倉番 :北倉 47
  • 用途 :調度
  • 技法 :染織
  • 寸法 :高15 長70 幅20.5
  • 材質:長斑錦

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2021)『第73回正倉院展』仏教美術協会
  2. 尾形充彦(2000)「年次報告 錦」正倉院紀要]22号

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

フリーエリア

よろしければランキング投票してください
にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村

フリーエリア

PVアクセスランキング にほんブログ村

メンバーのみ編集できます