沈香(じんこう)は、薫香を発する木材である。
原木には香気がない。高さ3mから10mの、ジンチョウゲ科ジンコウ属の樹皮が傷つくと、それを修復するために植物自身が樹液を出す。樹液が固まって樹脂となるが土中に埋没した倒木、真菌類が作用して、長い年月の間に薫香を発する樹脂が生成し、特有の香りを放つようになったものを沈香という。主にベトナム、カンボジア、インドネシアで産する。
大人の木になるまでに約20年を要し、沈香ができるまでに50年、高品質の沈香になるには100年から150年かかると言われる。
大人の木になるまでに約20年を要し、沈香ができるまでに50年、高品質の沈香になるには100年から150年かかると言われる。
香道では産地をもとにして沈香を六種類に分類している。伽羅は沈香の中で最上級とされる。
産出国 | 名称 | 読み |
ベトナム | 伽羅 | きゃら |
タイ | 羅国 | らこく |
マラッカ | 真那賀 | まなか |
インド東海岸のマラバル | 真南蛮 | まなばん |
インドネシアのスマトラ | 寸聞多羅 | すもたら |
インドのサッソール | 佐曾羅 | さそら |
- 奈良国立博物館(2008)『正倉院展60回の歩み』奈良国立博物館
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