縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

特殊器台(とくしゅきだい)はなどを載せる器台型土器が特殊化した土器である。

概要

高さ1mほどの円筒型土器である。特殊壺型土器と対になっている。
弥生時代後期に吉備地方で墳墓の葬送のマツリに使用された土器である。
装飾や丹塗りが施された、高さ1m前後の大形の筒型土器である。墳墓に立て並べるのが一般的である。
脚部、文様帯 4 段間帯 5 段からなる筒部、頸部、受部からなる。円筒埴輪の起源と考えられている。弥生時代V期後半(3世紀前半)から大型化する。
特殊器台から発展した埴輪が、奈良県を含む近畿中心部の古墳で用いられた。
特殊器台の胎土は、角閃石という鉱物を含む特別な粘土を使用していた。

特殊器台の形式変化

宮山型特殊器台
特殊器台の形式は以下の順で変遷した。
  1. 立坂型
  2. 向木見型
  3. 宮山型
  4. 都月型
変化の特長は次の通りである。
  1. 頚部、脚部の縮小化
  2. 「宮山型」以降における連続S字状文帯の減少
  3. 「宮山型」以降における凹線文帯の消滅
  4. 連続S字状文の連続性喪失と文様の分解
特殊器台の特長の変化は、実用品であった特殊器台、特殊壺が祭祀のための儀器に変化する過程を示すと考えられている。

出土例

  • 長坂1号墳?出土 小型であるが縦方向の組帯文がある。
  • 宮山遺跡? 土製素焼。基部の下半を除いて、全体的に赤彩がある。円筒状で縦長の胴部に、外反、屈曲する口縁部と基部を取り付ける。
  • 西江遺跡?

参考文献

  1. 大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
  2. 近藤義郎(1983)『前方後円墳の時代』岩波書店
  3. 滋賀県安土城考古博物館編(2011)『共に一女子を立て』滋賀県安土城考古博物館

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