縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

蓬莱山(ほうらいさん)は中国の伝説上の三神山のひとつである。

概要

古代中国の神仙思想から古代日本で最も親しまれた仙山である。燕、斉の国の方士(神仙術を行う人)によって説かれた神仙境の一つである。三神山は蓬莱山、方丈山、瀛洲山の三山をいう。三神山に仙人が住み、不老不死の神薬があると信じられていた。日本でも蓬莱山は詩歌や絵画の題材となっている。

山海経

中国最古の地理書『山海経?』「海内北経」に、「蓬莱山は海中にあり、大人の市は海中にあり」と記されている。「市」とは蜃気楼のことであり。

列子

『列子』の「 湯問篇」に渤海の東にあるとされ、高さ周囲は3万里、頂上の平地は9千里あるとされる。山に住む禽獣はみな毛並みが白い。珠幵(たま)の樹は叢をなし、それを食べると不老不死になるとされた。
  • 渤海之東、不知幾億万里、有大壑焉。実惟無底之谷。其下無底、
  • 名日帰墟。八紘九野之水、天漢之流、莫不注之、而無増減焉
  • 中有五山焉。一日岱輿、二日員嬌、三日方壷、四日瀛洲、五日蓬莢
  • 其山、高下周旋三万里。其頂、平処九千里。

日本書紀

  • 秋七月に、丹波国の余社郡の管川の人瑞江浦嶋子、舟たちまちをとめな
  • に乗りて釣す。遂に大亀を得たり。便に女に化為め
  • 蓬莱山に到りて、仙衆を歴り親る。語は、別巻に在り。
  • とこよのくにひじりめぐみる。是に、浦嶋子、感りて婦にす。相逐ひて海に入る。
  • (『日本書紀』巻第十四・雄略二十二年)
「蓬莱山」は「とこよのくに」と読まれる。

浦島説話

『丹後国風土記』逸文、『浦島子伝』など古い段階の浦島説話のほとんどは「蓬莱山」を舞台としている。

銅鏡

和泉市久保惣記念美術館の「蓬莱山方鏡」(重要文化財)は鏡の全面に蓬莱山文を表している。東京国立博物館の「蓬莱鏡」(鎌倉時代)は蓬莱山中に鶴が飛ぶ様子を表す。

正倉院

鏡に蓬莱山が描かれる。
  1. 金銀山水八卦背八角鏡
  2. 山水鳥獣背円鏡?

参考文献

  1. 王 秀文(2000)「桃をめぐる蓬莱山・崑崙山・桃源郷の比較民俗学的研究」国際日本文化研究センター紀要No22,pp.69-109
  2. 松下裕美(2000)「日本における〈蓬莱山〉の受容について」国文研究 45 ,pp.38-51

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