縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

玳瑁螺鈿八角箱(たいまいらでんはっかくのはこ,Octagonal Box,Coverd with Tortise-shell,Inlaid with Raden)は正倉院に伝わる八角印籠蓋造の木製献物箱である。

概要

全面に玳瑁を貼り、螺鈿で連珠や鳥・花をあらわす。文様の細部を毛彫りで表わす。また、蓋天板の花心に琥碧を嵌める。上面にゆるやかな甲盛りを施す。

構成

表面には螺鈿玳瑁、琥碧を使用し、華麗な花鳥文を表す。蓋の表や側面に、蓮華に乗る鴛鴦や、雲の上の飛鳥を描く。玳瑁はウミガメの甲羅からつくった鼈甲である。花芯にはめた

材料

南倉78の螺鈿片は玳瑁螺鈿八角箱第19号からハクリした破片である。裏側に褐色の接着剤が付着しており、FT-OR分析によりデンプンと判明した(参考文献1)。脱落の断片によれば、貝片の厚さは0.6mmから1.6mm、玳瑁の厚さは0.5mmから0.8mmである(参考文献2)。
内面には柳を張り、底面に黒漆を塗る。表面に黄色とこげ茶色の顔料を塗った玳瑁を張る(参考文献2)。

出展歴

  1. 1947年 – 第2回
  2. 1949年 - 東京国立博物館、御物特別展
  3. 1964年 - 第17回
  4. 1986年 - 第38回
  5. 1996年 – 第48回
  6. 2005年 - 美の国日本(九州国立博物館)
  7. 2018年 - 第70回

管理

  • 名称 :玳瑁螺鈿八角箱 第19号
  • 倉番 : 中倉 146
  • 用途 : 収納具
  • 技法 : 牙甲角、螺鈿
  • 寸法 : 長径39.2cm,高12.7cm
  • 材質 :木製 玳瑁貼(黄・茶の伏彩色) 螺鈿 琥珀(伏彩色) 覆輪は銀板 内面は白檀貼 底裏は黒漆塗

参考文献

  1. 「年次報告」正倉院紀要31号,p.144
  2. 荒川浩和(1998)「正倉院の螺鈿−漆藝史上の意義−」[正倉院紀要]pp. 9、13、15

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