黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいじゅうにりょうきょう)は正倉院に伝わる唯一の十二稜鏡である。
他の鏡の本体は白銅であるが、当鏡は銀台である。宝物のなかで唯一の七宝製品である。背面に七宝の6枚の花弁形と三角形の金板が貼られる。七宝細工が普及するのは中国でも明代であり、日本では近世からである。大小18枚の花弁の内側に銀の薄板で文様を入れ、黄、緑、濃緑色の釉薬を焼付けて宝相華文を表す。
七宝の花弁の宝相華文の模様は唐代に流行していたものであり、近世と比較した技術水準から、8世紀に唐で製作されたものとみられる。
- 1950年 -
- 1964年 -
- 1982年 -
- 1990年 -
- 2000年 -
- 2009年 - 『皇室の名宝―日本美の華』二期:正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)
鏡台の部分は蛍光X線分析により銀と2%前後の銅が含まれていることが判明した。鏡台にアマルガム法による金鍍金が施されたと推定されている<参考文献2>。
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