縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいじゅうにりょうきょう)は正倉院に伝わる唯一の十二稜鏡である。

概要

他の鏡の本体は白銅であるが、当鏡は銀台である。宝物のなかで唯一の七宝製品である。背面に七宝の6枚の花弁形と三角形の金板が貼られる。七宝細工が普及するのは中国でも明代であり、日本では近世からである。大小18枚の花弁の内側に銀の薄板で文様を入れ、黄、緑、濃緑色の釉薬を焼付けて宝相華文を表す。

製作場所

七宝の花弁の宝相華文の模様は唐代に流行していたものであり、近世と比較した技術水準から、8世紀に唐で製作されたものとみられる。

出展歴

  1. 1950年 -
  2. 1964年 -
  3. 1982年 -
  4. 1990年 -
  5. 2000年 -
  6. 2009年 - 『皇室の名宝―日本美の華』二期:正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)

材料

鏡台の部分は蛍光X線分析により銀と2%前後の銅が含まれていることが判明した。鏡台にアマルガム法による金鍍金が施されたと推定されている<参考文献2>。

管理

  • 倉番 : 南倉 70
  • 用途 : 調度
  • 技法 : 金工
  • 寸法 : 径18.5cm,縁厚1.4cm,重2177g
  • 材質・技法 : 銀鍛造 金板 金線 七宝釉板(緑・濃緑・黄)

参考文献

  1. 田中輝和(2002)「正倉院宝物黄金瑠璃鈿背十二稜鏡の模造について」正倉院紀要,第24号,pp.1-20
  • 成瀬正和(2001)「年次報告」正倉院紀要第23号pp.,69〜71

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