縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

伎楽面 木彫第47号(ぎがくめんもくちょう,Gigaku mask if Suiko-o)は正倉院に収蔵-されている酔胡王という役柄の伎楽面である。

概要

泥酔した胡(古代ペルシャ)の王という役柄である。酒が好きで、酒焼けした赤ら顔の酔っぱらいの伎楽面である。高い冠をかぶり、大きく高い鼻、あつい唇、太い眉毛をもつ。
伎楽では酒を飲んで酔っ払った「酔胡王」と8人の従者「酔胡従?」が登場し、賑やかに演技をする。

由来

伎楽面は日本最古の仮面である。正倉院には171面が伝わる。大部分は752年(天平勝宝4年)、東大寺でおこなわれた大仏開眼供養で用いられたものである。伎楽は中国南部(呉)に由来するセリフを伴わない音楽劇である。奈良時代には大仏開眼会など各寺院の法要でしばしば上演された。

構成

頭部には花文様をあしらう胡帽をかぶる。肌は赤褐色塗り。778年(宝亀9年)製作である。冠の全面と背面は繧繝彩の団花文を描く。両側面は丹地に繧繝形の花弁を描く。

類例

東京国立博物館に法隆寺献納の木造伎楽面「伎楽面 酔胡王」(重要文化財)がある。

材料

桐材製で、冠の頂部は別材を継ぎ合わせる。彩色されている個所は全面に白下地を施す。肉身は赤褐色で表すが、部分的に赤を濃くする。歯及び目は銀黒色。眉は墨で描く。眼は白目に銀泥を塗る。白色個所に石英を検出する(参考文献1,p.74)。口ヒゲ・顎ヒゲには馬の毛を貼る。

展示歴

  1. 1958年 – 第12回
  2. 1959年 - 正倉院宝物展(東京国立博物館
  3. 1998年 – 第65回
  4. 2010年 - 第62回
  5. 2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(東京国立博物館)

管理

  • 名称 :伎楽面 木彫 第47号
  • 倉番 :南倉 1
  • 用途 :楽器・楽具
  • 技法 :木竹工
  • 寸法 :縦37.0 横22.6 奥行29.4
  • 材質:桐 白下地 顔面は彩色(赤褐色 一部は赤・銀彩・墨描) 冠帽は彩色(緑・紫・薄茶・橙・金箔・銀彩・墨描) ヒゲは貼毛(馬毛)

参考文献

  1. 「年次報告」正倉院紀要22号,p.74〜75

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