縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

金銀平脱皮箱(きんぎんへいだつのかわばこ,Leathered Lacquer Box with Gold and Silver Decoration for Offerings)は正倉院に収蔵されている被蓋造の献物箱である。

概要

上面の蓋に面取りのある被蓋造の漆皮箱である。黒漆に金銀で表される文様がちりばめられる。鈍い色に見える個所は銀製であり、当初は明るく輝いていたと見られる。
同サイズの金銀平脱皮箱「第4号」と「第5号」とがあり、一対で製作されたとみられる。

構成

蓋の中央に雲の間に枝を加えた鳳凰を表す。蓋と身の両側面に蔓草と花枝を咥える長尾鳥を配する。蓋の外面及び身の側面に花喰鳥文様を表す。文様はすべて銀金の平脱によって製作する。東大寺の法会に際して献納品を収めた箱とみられる。
漆の表側を連珠文で区切り、蓋の中央に霊芝雲に乗る鳳凰を置き、その周囲に鳥と花枝を旋回するように組み合わせる。連珠文?の外に花枝を銜む六つがいの鳥を回す。蓋の面取り部分に小花文を配する。蓋と身の側面に花枝を咥えた二羽の尾長鳥が向かい合う。金銀の薄板には細かい毛彫りを施している。取り面や口縁部には等間隔に大小の側花文を並べる。

材料

箱は動物の皮をベースに、底を除く外面には布を張り。その上から何重にも漆を塗りこめている。漆を塗る際に、金銀の薄板を張り付け、漆で塗りこめた後に金銀の漆をはぐ「平脱技法」を用いている。

金銀平脱皮箱 模造

原品は平脱技法(剥取平文)で金銀板が貼り付けられるが、本品は平文技法(研出平文)で文様が表されている。。外箱の蓋表に「寧楽 大閑堂監製」とあり、奈良漆器や古美術品を商った大閑堂(玉井久次郎)が製作したものと推測される。
奈良国立博物館が平成21年度に購入したものである。

管理

  • 名称 :金銀平脱皮箱 第4号
  • 倉番 :中倉 138
  • 用途 :収納具
  • 技法 :漆工
  • 寸法 :縦33.0 横27.0 高8.6
  • 材質: 皮製 布着 黒漆塗 金・銀平脱 嚫は紫紙・麻紙脱

展示歴

  1. 1950年 - 第4回
  2. 1968年 - 第21回
  3. 1991年 – 第43回
  4. 2007年 – 第59回
  5. 2022年 - 第74回

管理

  • 名称 :金銀平脱皮箱 第5号
  • 倉番 :中倉 138
  • 用途 :収納具
  • 技法 :漆工
  • 寸法 :縦33.0 横27.0 高8.6
  • 材質: 皮製 布着 黒漆塗 金・銀平脱

展示歴

  1. 1950年 - 第4回
  2. 1958年 - 第12回
  3. 1985年 – 第37回
  4. 1998年 - 第50回
  5. 2014年 – 第66回

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)「正倉院展60回のあゆみ」奈良国立博物館
  2. 奈良国立博物館(2022)「正倉院展第74回」仏教美術協会

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