甲斐銚子塚古墳(くろひめやまこふん)は山梨県にある4世紀?後半の前方後円墳である。同時期の古墳として東日本最大級の古墳である。
笛吹川左岸に連なる曽根丘陵の北麓に位置する3段築成の古墳である。銚子塚の名称は側面の形状を銚子に見立てたことから名づけられた。墳丘の外側に」墳形をなぞく周濠が巡る。後円部の北側裾に礫を敷き詰めた突出部を設ける。葺石と埴輪列の外部施設を持つことから、大和王権とのつながりが指摘されている、地元では「伊勢塚」とも呼ばれ、伊勢講の信仰の対象となっていた。
後円部の竪穴式石室から、大量の「朱」と青銅鏡5面、碧玉(製車輪石・石釧、管玉、鉄剣、鉄刀、南海産スイジガイ製貝環が出土した。出土した鏡に三角縁神獣鏡も含まれる。甲斐銚子塚古墳出土の三角縁神獣車馬鏡は、備前車塚古墳(岡山市)や群馬県三本木所在の古墳(藤岡市)そして藤崎遺跡(福岡市)出土鏡と同型の鋳型をもとに作られていた。組み立て式の木製品(円盤状、蕨手形、棒形、写真下左は常設展示)は葬送儀礼の道具と考えられ、墳丘から周溝内へ投げ込まれたような状況で出土しました。
タグ
コメントをかく