縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

紅牙撥縷撥(こうげばちるのばち, Red-Stained Ivory Plectrum With Bachiru Decoration)は正倉院に収蔵されている螺鈿紫檀琵琶に付属する撥である。

概要

国家珍宝帳記載の螺鈿紫檀琵琶の上方に付箋により、紅牙撥縷撥と記載される。
琵琶の絃が当たる先端部分は摩耗により先端部分の象牙が露出する(参考文献1)。

構成

赤く染めた象牙の表面を削り、白い素地を表し、色の対比で文様を表す撥鏤の技法を用いる。
二足で偶数蹄の馬頭怪鳥、鴛鴦、ホオジロ、キンケイ、カモ、麒麟、山岳などを彫だし、要所を緑色や黄色(藤黄と推定される)で引き立てる。緑色の個所は他より深く彫られている。
赤色部分は可視光分析によりラック(臙脂)を用いたことが判明した。緑色部分はアタマカイトであった(参考文献3)。

展示歴

  1. 1962年 - 第15回
  2. 1975年 - 第28回
  3. 1981年 – 東京国立博物館、昭和天皇満80歳記念。
  4. 1990年 - 第42回
  5. 2000年 – 第52回
  6. 2012年 - 第64回
  7. 2014年 - 日本国宝展(東京国立博物館)
  8. 2019年 – 東京国立博物館、即位記念。

管理

  • 名称 :紅牙撥縷撥
  • 倉番 :北倉 28
  • 用途 :楽器・楽具
  • 技法 :牙甲角
  • 寸法 :長20.0 最大幅5.7 厚0.1〜0.4
  • 材質 :象牙 紅染 撥鏤 緑青・黄の点彩

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)「正倉院展60回のあゆみ」奈良国立博物館
  2. 柿澤亮三・平岡考・中坪禮治・上村淳之(2000)「宝物特別調査鳥の羽毛と文様」正倉院紀要第22号
  3. 鶴真美他、山方唯華子、高畑誠他(2019)「年次報告」正倉院紀要41号.p.49-50

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