縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

山水夾纈屏風(さんすいきょうけちのびょうぶ,Screen Panel with Design of Landscape in Kyokechi)は正倉院に収蔵されている山水をあらわした屏風である。

概要

国家珍宝帳に記載される品である。六曲屏風が12畳献納され、元は72扇があったが、うち10扇分が伝来している。北倉に4扇が伝来し、ほかに7扇分の残欠17片が残る(参考文献1)。
夾纈は文様を彫った二枚の板の間にに裂をはさんで、締め上げて、板の背面にあけた穴からから染める方法である。インド、中国、日本で行われた古来からの防染文様染である。日本では平安以降、中国では明代の初めより多色のものは途絶えており、幻の染色となっている。
中国夾纈は遣唐使によって日本に持ち帰られ、皇室珍宝となり、屏風や佛幡及び服飾などの生地に使われるようになった。

構成

夾纈は文様は左右対称である。第三扇の模様は雲海に浮かぶ遠くの山、その下に大きな岩石、樹木、流水と岩石、山と岩石の間の雲間に四体の仙人が見える。第四扇には飛ぶ鳥と仙人が見える(参考文献1)。

製作日

米田雄介は夾纈屏風を収める袋が大仏開眼日以降に作られていることから、屏風は大仏開眼日から遠くない時期に作られたと想定している(参考文献2)。

材料

絁はあしぎぬであり、国産の平織りの絹織物である。糸質が粗く糸の太いものを絁とよび、糸の細いものを絹と呼んだ、品質の悪いものとは限らない(参考文献1)。

展示歴

第一扇

1978年? – 第31回
1992年? -第44回
2010年? – 第62回

第二扇

2010年? -第62回

第三扇

1978年? - 第31回
1992年? -第44回
2021年? -第73回

第四扇

1949年?東京国立博物館、御物特別展。
1983年? -第35回
2001年? -第53回
2021年? -第73回

管理

第一扇

  • 名称 :山水夾纈屏風 第1扇
  • 倉番 :北倉 44
  • 用途 : 調度
  • 技法 : 染織
  • 寸法 :長148.5cm,幅53.8cm,本地長138.1cm,幅45.3cm
  • 材質:絁 夾纈染 仮表装

第二扇

  • 名称 :山水夾纈屏風 第2扇
  • 倉番 :北倉 44
  • 用途 : 調度
  • 技法 : 染織
  • 寸法 :長148.3cm,幅53.8cm,本地長138.3cm,幅46.1cm
  • 材質:絁 夾纈染 仮表装

第三扇

  • 名称 :山水夾纈屏風 第3扇
  • 倉番 :北倉 44
  • 用途 : 調度
  • 技法 : 染織
  • 寸法 :長148.3 幅53.9  本地長140.2 幅47.0
  • 材質:絁 夾纈染 仮表装

第四扇

  • 名称 :山水夾纈屏風 第4扇
  • 倉番 :北倉 44
  • 用途 : 調度
  • 技法 : 染織
  • 寸法 :長148.5cm,幅53.6cm,本地長138.1cm,幅47.0cm
  • 材質:絁 夾纈染 仮表装

参考文献

  1. 奈良国立学物館?(2021)『第73回正倉院展』仏教美術協会
  2. 米田雄介(2013)「国家珍宝帳にみえる屏風の成立について」正倉院紀要第35号

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