石上神宮(いそのかみじんぐう)は日本最古の神社のひとつで、古代の豪族物部氏の総氏神とされる。
崇神天皇7年、勅命により物部氏の祖 伊香色雄命が、石上布留高庭(現在地)に武甕雷神(たけみかづちのかみ)を祀り、石上大神と称えたのが創建とされる。日本書紀崇神7年8月に伊香色雄命を神班物者とする記事がある。物部の八十平瓮を祭神としたところ国内の疫病が収まったという。我が国の霊剣は草薙剣を除いて当宮に祀られることになっている。
- 布都御魂大神:神剣「韴霊(ふつのみたま)」に宿る霊威を称え布都御魂大神という。佐土(さじ)布都神とも いい、神代に武甕雷神がおびていた霊剣であり、平国之剣(くにむけのたち)ともいわれる。天璽十種瑞宝(あまつしるしとくさのみづのたから)に宿る霊威を称えるとも言われる。天璽十種瑞宝は、饒速日命が天津神から授けられた十種の神宝をいう。
- 七支刀
- 国宝。古代の遺品で、社伝では「六叉鉾」 と称されていた。現在は刀身に記された銘文により「七支刀」と称する。『日本書紀』に百済から献上された「七枝刀」と考えられている。
- 鉄盾
- 重要文化財。神庫に「日の御盾」と称して収蔵されてきた伝世品で、2面ある。1面は東京国立博物館に委託されている。製作年代は、5世紀後半と推定される。
- 色々威腹巻
- 重要文化財。腹巻は行動性を重視した形式の甲で、当神宮のものは白・紫・紅・萌黄という鮮やかな色の糸でつづり合わせている。足利尊氏が奉納したものと伝えられる。奈良国立博物館に委託されている。
- 硬玉勾玉
- 重要文化財。濃緑または淡緑の翡翠を加工した勾玉で合計11個. 古墳時代前期の副葬品に見られる勾玉と類似する。
- 碧玉管玉
- 重要文化財。合計で293個。古墳時代前期。
- 琴柱形石製品
- 重要文化財。
- 弧状管玉
- 重要文化財。乳灰色の硬玉で作られた弦月状の管玉
- 硬玉棗玉
- 重要文化財。軟玉製で、合計で9個あり、紋様の有無・緑色の濃淡など多様。
- 環頭大刀柄頭
- 重要文化財。環形の装飾をした大刀の柄頭
- 銅鏃
- 重要文化財。古式の柳葉形のやじりで、長さは7.2cm、良質の白銅製。
- 銅境
- 重要文化財。草花文鏡と萩菊双雀鏡の2面。作されたのは平安時代後期と推定
- 金銅垂飾品
- 2個の環を直角に組み合わせてその上に小さな環をとりつけたもの。長さ4.6cm、
- 金銅鐶
- 重要文化財。銅製を鍍金したものが2個、銅製を鍍銀したものが1個の計3個。
- 拝殿
- 国宝。拝殿としては現存最古。建築様式は鎌倉時代初期の建立。白河天皇が、当神宮の鎮魂祭のために、永保元年(1081年)に宮中の神嘉殿を寄進したとされる。入母屋造、檜皮葺。
- 本殿
- 明治43年から大正2年にかけて神剣「韴霊」を奉安するために本殿を建立する。
- 楼門
- 重要文化財。鎌倉時代末期、第96代後醍醐天皇、文保2年(1318年)に建立されたと伝わる。
- 摂社 出雲建雄神社拝殿
- 国宝。元は内山永久寺の鎮守の住吉社の拝殿を大正3年に現在地に移築。内山永久寺は鳥羽天皇の永久年間(1113〜18)に創建された大寺院。
- 神庫
- 禁足地の南西の隅に建っている二戸前の校倉造の建物。現在の神庫は嘉永4年(1851)に再建されたもの。
- 名称:石上神宮
- 拝観料:無料
- 拝観時間:御門内での参拝は日の出より日没まで
- 所在地:〒632-0014 天理市布留町384
- 交通: JR・近鉄 天理駅 苣原行きバス「石上神宮前」下車 徒歩7分
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