銅薫炉(どうのくんろ、Bronze Censer)は正倉院に収蔵-されている衣服に香を焚きしめる銅製の香炉?である。薫炉は薫籠とも言われる。
概要
文様
構造
展示歴
管理
関連宝物
参考文献
概要 
衣服に香を焚きしめるための道具である。半球型の蓋と身を合わせて球形となり、身に立ち上がりをつくり、差込式の留め金を二か所に装着して接合する。�亀�(ついき)の手法で成形され、銅の円盤を延伸させて縁を立ち上げていき、最後に雌型に打ち込んで半球を完成させたと考えられる。
蓋・身はわずかに回して着脱できる。素材は赤褐色の銅である。花形は、天頂と下端とが同形で、そのほかは少し異なる。
蓋・身はわずかに回して着脱できる。素材は赤褐色の銅である。花形は、天頂と下端とが同形で、そのほかは少し異なる。
文様
五弁花を連珠で囲む文様計12個が、透かし彫りで表現される。切鏨で文様を透かし彫りにし、連珠文帯を巡らす12の円形の区画に、それぞれ五弁の花文を配する。内部は三重の鉄鐶を身に取り付けて、鉄製の炉皿を支える。香炉の文様は、正倉院の文様の中でも特異な存在とされる。
構造
内部の火皿には、羅針儀のように常に水平状態を保つ仕掛けがある。炉皿が自由に回転して常に水平を保つ。唐代の類品が中国で出土する。三葉の中心は、この球に内接する正十二面体の頂点にあたる。円文の中心はこの球体に内接する正十二面体の頂点にあたる。
展示歴
- 1940年 帝室博物館、皇紀2600年記念正倉院御物特別展
- 1960年 - 第13回
- 1964年 – 第17回
- 1970年 - 第23回
- 1981年 - 特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
- 1989年 - 第41回
- 2002年 - 第54回
- 2012年 - 第64回
- 2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―（東京国立博物館）
管理
- 名称 ：銅薫炉
- 倉番 ：中倉 67
- 用途 ：調度
- 技法 ：金工
- 寸法 ：径24.2m
- 材質：銅鍛造 灰盤･環・留金は鉄 銀鋲
関連宝物
銅薫炉は銀薫炉よりわずかに大きい。
- 銀薫炉?
参考文献
- 奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』奈良国立博物館
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