縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

琵琶袋残欠(びわのふくろ ざんけつ, Fragment of Bag for a Biwa)は正倉院に収蔵されている琵琶を収納する袋である。

概要

四弦琵琶を入れる袋である。文様の大きさ複雑さで上代の錦のなかでも傑作である。直径が53センチある唐花文は華麗で精緻である。表裂は縹地錦、裏裂は白絁。

由来

古代の琵琶袋としては世界唯一のものである。古代中国における錦の最高傑作とされる。倉院に残る他の錦裂に比べて広幅であり、精緻な作りのため、中国製と考えられている。

構成

縹地大唐草文錦は鮮やかな縹地に白・白茶・黄・緑・濃緑・淡紅・赤・紫の九色の緯糸を用いて大唐花文を織る。表の縹地錦は緯錦で、正倉院に残る他の錦裂に比べて113.6cmと広幅な緯錦である。

材料

外面はすべて錦である。裏地は白絁でである。(一部は北倉182に整理される)近年の染料調査から藍、黄蘗、紅花、茜、紫根を用いて染められていたことが判明した。芯材は白色の毛氈である。高密度で均一なフェルトに仕上げている。厚さは3mmと薄い。フェルトの各所に赤色の縫い糸が残る(参考文献1)。毛質や技術が高品質である(参考文献1,p60)。

展示歴

  1. 1951年 - 第5回
  2. 1964年 - 第17回
  3. 1970年 - 万国博美術館
  4. 1980年 - 第33回
  5. 1989年 - 第42回
  6. 1999年 - 第51回
  7. 2009年 - 第61回
  8. 2015年 - 美の国日本(九州国立博物館
  9. 2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(東京国立博物館

管理

  • 名称 :琵琶袋残欠
  • 倉番 :南倉 103
  • 用途 :楽器・楽具
  • 技法 :木竹工
  • 寸法 :錦の最大片 長95cm, 幅48cm,白氈芯の最大片 長94cm, 幅43cm
  • 材質:縹地錦 白絁 芯は白氈

参考文献

  1. 竹之内一昭・奥村章・福永重治・向久保健蔵・実森康宏・ジョリージョンソン・本出ますみ(2015)「正倉院宝物特別調査毛入調査報告」正倉院紀要37号 pp.102〜103
  2. 奈良国立博物館(2008)「正倉院展60回のあゆみ」奈良国立博物館

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