緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりじゅうにきょくのながつき,Twelve Lobed Oblong Green Glass Cup with Incised Design)は正倉院に収蔵-されている濃緑色の楕円形の坏である。
外面は底部から短い面にかけてチューリップやアザミにも見える大きな花をモチーフとした文様を刻み、その外側には二条の襞に葉をつけ、口縁の近くにうずくまるウサギにみえる動物をあしらう。展示回数は10回以上と人気の品である。
正倉院に合計6点のガラス器が収蔵されている。いずれも唐からの招来品と推定される
中国のガラス焼成技術は遅くとも2200年前の戦国末期に技術開発された。東周晩年や漢代の墓から美しいガラス製の文物が大量に出土している。多曲長坏は唐代の貴族階級の日常生活で使われた形式である。濃緑のガラス器の表面に刻まれたチューリップの文様は11世紀以降に流行したことや中国・宋時代の南京大報恩寺で同形の長坏が発掘されたことから、11世紀に作られた可能性もあるという(帝塚山学院大学文学部文化創造学科・牟田口章人教授の説)。器の形式の源流はササン朝ペルシャとみられる。
中国のガラス焼成技術は遅くとも2200年前の戦国末期に技術開発された。東周晩年や漢代の墓から美しいガラス製の文物が大量に出土している。多曲長坏は唐代の貴族階級の日常生活で使われた形式である。濃緑のガラス器の表面に刻まれたチューリップの文様は11世紀以降に流行したことや中国・宋時代の南京大報恩寺で同形の長坏が発掘されたことから、11世紀に作られた可能性もあるという(帝塚山学院大学文学部文化創造学科・牟田口章人教授の説)。器の形式の源流はササン朝ペルシャとみられる。
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