縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりじゅうにきょくのながつき,Twelve Lobed Oblong Green Glass Cup with Incised Design)は正倉院に収蔵-されている濃緑色の楕円形の坏である。

概要

楕円形の杯で、長側面の両側に半月形の襞が三筋つき、口縁に12の弧ができることから十二曲長杯と呼ばれる。

構成

外面は底部から短い面にかけてチューリップやアザミにも見える大きな花をモチーフとした文様を刻み、その外側には二条の襞に葉をつけ、口縁の近くにうずくまるウサギにみえる動物をあしらう。展示回数は10回以上と人気の品である。

由来

正倉院に合計6点のガラス器が収蔵されている。いずれも唐からの招来品と推定される
中国のガラス焼成技術は遅くとも2200年前の戦国末期に技術開発された。東周晩年や漢代の墓から美しいガラス製の文物が大量に出土している。多曲長坏は唐代の貴族階級の日常生活で使われた形式である。濃緑のガラス器の表面に刻まれたチューリップの文様は11世紀以降に流行したことや中国・宋時代の南京大報恩寺で同形の長坏が発掘されたことから、11世紀に作られた可能性もあるという(帝塚山学院大学文学部文化創造学科・牟田口章人教授の説)。器の形式の源流はササン朝ペルシャとみられる。

材料

濃い緑はガラス成分に銅を混入し、発色させたものという。酸化鉛が55%と推定される鉛ガラスである。

展示歴

  1. 1940年 – 帝室博物館、皇紀2600年記念正倉院御物特別展
  2. 1946年 - 第1回
  3. 1963年 – 第16回
  4. 1970年 – 第23回
  5. 1977年 – 第30回
  6. 1981年 - 特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
  7. 1990年 - 『日本美術名品展』(東京国立博物館)
  8. 1995年 – 第47回
  9. 2006年 – 第58回
  10. 2017年 – 第69回

管理

  • 名称 :緑瑠璃十二曲長坏
  • 倉番 :中倉 72
  • 用途 :飲食具
  • 技法 :ガラス
  • 寸法 :長径22.5 短径10.7 高5.0 重775
  • 材質:鉛ガラス(緑色)

参考文献

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