縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

鸚鵡痳屛風(おうむろうけちのびょうぶ)は、正倉院に保存されている型押し蝋防染・顔料彩色による鸚鵡を描いた屏風である。

概要

国家珍宝帳記載の献納宝物である。国家珍宝帳に「臈纈屏風十畳、各六扇、高五尺五寸、廣一尺九寸、碧絶背 染木画帖 漆鐡打 楷布袋」とあるものの一扇である。
856年(斉衡3年)の宝物点検記録に「熊高鸚鵡麟屏風」として記載される屏風の一扇であった。

構成

下部には鹿を追いかける騎馬人物、周囲に樹木、中央に鹿、花を咥えた鳥、小鹿、花弁紋、樹に止まる鳥を表す。上部には草の生えた樹木、笙を吹く婦人、鳳凰を表す。

技法

型押し蝋防染・顔料彩色による屏風の画面。 臈纈?染の技法は、中国の伝統紡織染物工芸で、絞り染め、型染めと並び、中国古代の三大模様染め技術とされる。平絹を黄色に染色した上で、溶かした蝋を筆にとって生地に模様を描き、その上から茜の染料で重ね染めし、熱で蝋を除去すると、蝋で隠されていた文様部分は染まらず、それ以外の部分に文様が浮かび出る。文様部分にはさらに顔料で彩色された。
騎馬人物の弓からX線回折?により赤鉄鉱が検出され、蛍光X線分析により鉄が検出されたためベンガラが使用されていることが判明した。

管理

  • 名称:鸚鵡痳屛風
  • 倉番:北倉 44
  • 用途: 調度
  • 技法:染織
  • 寸法:長163.0 幅56.3 本地長154.6 幅52.5
  • 材質・技法 :絁 臈纈染 仮表装

出展歴

  • 名称:鸚鵡纈屏風
  1. 1949年 - 東京国立博物館、御物特別展
  2. 1974年 - 第27回
  3. 1985年 - 第37回
  4. 1997年 - 第49回
  5. 2010年 - 東大寺大仏−天平の至宝−」展(東京国立博物館)
  6. 2022年 - 第74回

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展60回の歩み』奈良国立博物館
  2. 奈良国立博物館(2022)『正倉院展』、仏教美術協会
  3. 東京国立博物館(1981)『特別展 正倉院宝物』東京国立博物館
  4. 尾形充彦、成瀬正和、中村力也、西川明彦(2007)「屏風」(年次報告) 、正倉院紀要29号

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