縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

山尾幸久(やまおゆきひさ、1935年12月10日 – 2021年11月4日)は日本の歴史学者である。専攻は日本古代史。立命館大学名誉教授。

概要

立命館大学の日本史学専攻は「在野史学」の騎手たる地位を築きあげた。1970年代以降は、山尾幸久(古代史)、三浦圭一(中世史)、衣笠安喜(近世史)などの研究者がこの学風を継承・発展させた。山尾幸久は研究に厳しい教授として知られていた。山尾先生の演習形式の授業を取る大学院生は非常に少なかったという。履修登録期間終了後に、考古学の大学院生が山尾先生の授業をとらなかったことを知った和田晴吾教授(当時)は、「なんで取らへんかったんや!」と怒りをあらわにされたという。山尾幸久の論考は外交関係に関わる研究が多く、これは考古学を研究するものにとって、特に鉄器を研究する人にとって重要な研究となっている。

石母田批判

著書(「日本古代国家と土地所有」2003年 吉川弘文館)では石母田正?の古代国家論を全面的に批判した。 (「日本古代国家と土地所有」序章 論究の視点より。)

磐井の乱の位置づけ

「古代最大の内戦 磐井の乱」(大和書房 1985年)で「磐井の乱」を継体天皇に対する反乱ではなく、近畿)と九州の国家同士の戦争と主張するなど、独自の視点を提示した。

蔵書

米原市番場の市民グループ「番場の歴史を知り明日を考える会」は、山尾さんの蔵書約二万冊の保存を進めている。書籍にはメモが残り、山尾さんがどのような部分に注目して研究を進めたのか分かるという。

経歴

  • 1935年 中国、旧満洲撫順に生まれる。
  • 1966年 立命館大学文学部卒業。大学院修士課程に進学。北山茂夫?に師事。
  • 1968年 立命館大学大学院文学研究科修士課程修了
  • 1969年 立命館大学文学部助手
  • 1996年 立命館大学文学部退職
  • 2021年11月4日 誤嚥性肺炎で死去*受賞

著書

  1. 山尾幸久(1989)『古代の日朝関係』塙書房
  2. 山尾幸久(2003)『古代王権の原像―東アジア史上の古墳時代』學生社
  3. 山尾幸久(1977)『日本国家の形成』岩波書店
  4. 山尾幸久(1972)『魏志倭人伝』講談社
  5. 山尾幸久(2006)『「大化改新」の史料批判』塙書房
  6. 山尾幸久(1999)『筑紫君磐井の戦争―東アジアのなかの古代国家』新日本出版社
  7. 山尾幸久(1998)『カバネの成立と天皇』吉川弘文館

参考文献

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