縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

紫檀木画双六局(したんもくがのすごろくきょく,Sugoroku Gaming Board)は正倉院に収蔵されている木製の双六盤である。

概要

明治時代に双六盤として名付けられた4具のうちの一つである。
天板の両長辺に木画の三日月形を挟んで各辺6個の花形を配している。

由来

中国にはシルクロード経由で双六が伝わり、日本には奈良時代に伝わった。国家珍宝帳記載の木画紫檀双六局(北倉37)と、形状、大きさ等が似ている。

構成

紫檀地に木画の装飾を施す。長側面に2つ、短側面に1つの格狭間を配する。天板の周囲には双六頭を停止させるための立ち上がりを設置する。側面には立ち上がりや脚に花唐草文、鳥、雲、鳥にまたがる人物を配す。木画には象牙、黄楊木、緑染鹿角・水牛角・鉄刀木・竹を用いる。

類例

正倉院に下記双六局の類例がある。
名称保管備考
木画紫檀双六局北倉 37国家珍宝帳記載
木画螺鈿双六局? 第1号中倉 172弾棊盤の可能性
沈香木画双六局 第2号中倉 172立ち上がりがない
紫檀木画双六局 第3号中倉 172本品
榧双六局 第4号中倉 172立ち上がりがない

日本で現存する最古の双六道具は、朝鮮から渡来した「木画紫檀双六局」である。『鳥獣人物戯画』丙巻に2匹の猿が「盤双六」と小道具を抱えて走る姿が描かれる。

海外古代のボードゲーム

紀元前にイラク、エジプト等の遺跡から出土された「遊戯盤双六」がある。
増川宏一によれば、「古代メソポタミア文明時代のウル王朝のボードゲームは、イラク南部のウル第三王朝の王墓から発掘されたものとし、紀元前2600年頃のウルの繁栄と富裕を象徴し、古代世界で最も優美で精巧な細工の遊戯盤として知られている。ロイヤルゲーム・オブ・ウル(Royal Game of Ur)と呼ばれている」とする(参考文献3,p.16-26)。「ウルのゲーム盤はレース・ゲーム型で、二人で争い、駒を出発点から終点に向って盤上の枡目を動かす。三角錐体のさいころと、白黒各五個ずつの平らな円形の駒が使われた」(参考文献3,p21)とする。
新彊ウィグル自治区吐魯番のアスターナ墓地206号墓から出土した「螺銅木双陸棋盤」は、長さ28.0cm、高さ7.8cmで〔参考文献2〕、その形状・盤面の装飾が正倉院の「木画紫檀双六局」と似るとしている(参考文献1,p.32)。

表記

すごろくは「双六」のほか「雙六」、「寿語六」、「須語陸」、「須具侶久」、「雙陸」とも書かれる。

材料

双六頭はすごろくのさいころ。双六子はすごろくの駒である。

展示歴

  1. 1946年 – 第1回
  2. 1949年 - 東京国立博物館、御物特別展
  3. 1955年 – 第9回
  4. 1964年 – 第17回
  5. 1979年 - 第32回
  6. 1991年 - 第43回
  7. 1995年 – 第47回
  8. 2008年 - 第60回

管理

  • 名称 :紫檀木画双六局 第3号
  • 倉番 :中倉 172
  • 用途 :遊戯具
  • 技法 :木竹工
  • 寸法 :縦30.6cm,横54.4cm,高17.8cm
  • 材質:紫檀 木画(黄楊木・紫檀・象牙・緑染鹿角・水牛角・鉄刀木・竹) 稜角は象牙

参考文献

  1. 山本忠尚(2012)「古代の盤上遊戯 数の呪力と考古学(その3)」中国文化研究 (28), pp.21-43
  2. 新彊維吾爾自治区博物館(1975)『新彊出土文物』文物出版社
  3. 増川宏一(1995) 『すごろく 1』法政大学出版局
  4. game-board of Ul大英博物館

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