縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

木画紫檀双六局(もくがしたんのすごろくきょく,Red Sandalwood Sugoroku Dice Game Board with Marquetry Decoration)は正倉院に伝わる木画の技法で装飾した紫檀張りの双六盤である。

概要

長方形の盤面に周囲に立ち上がりを付け、下に格狭間を透かした床脚と畳摺を備える。盤面の長辺中央に三日月型が配置され、長辺に沿って駒を置く花形を十二ずつ木画で表す。短辺の中央にも花形を配置する。側面の木画中に3種類の鳥文象嵌が見られる。中央の床脚の上部に花文象嵌を中心にして左右対称に花文象嵌がある。双六は奈良時代に流行したが、689年(持統3年)に双六禁止令が出されている(日本書記卷第卅 十二月己酉朔丙辰、禁斷雙六。)。日本最古の双六禁令である。その後754年(天平勝宝6年)にも孝謙天皇の勅が出された。

使用方法

盤双六は室内遊戯で、さいころを振り出た目に従って升目にある駒を進め、上がりに導く遊び方であったとされる。盤上に配置された双方15個の石をどちらが先に全てゴールさせるかを競う。江戸時代に登場した「絵双六」とはゲームの方法が異なるが、詳しい方法は伝わっていない。現代では盤双六は衰退している。

構成

紫檀貼りの天板に縁がつき、全体を床脚で支える。正倉院木画の中でも、精緻な表現を示す。

材料

床脚刳面には黄楊が貼られているが、もとは象牙を貼っていたとみられる。素材はツゲ・シタン・タガヤサン・竹・象牙・緑色に染めた鹿角・水牛角である。天板は芯材の表裏にシタン各4枚を貼って、周囲に側板を立ち上げる。

由来

中国ウィグル自治区のトルファン・アスターナの遺跡からほぼ同じものが出土している。本品と同じ工房または工人が製作したものと推定されている(文献2)。

出展歴

  1. 1959年 - 正倉院宝物展(東京国立博物館)
  2. 1975年 – 第28回
  3. 1981年 - 特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
  4. 1990年 - 『日本美術名品展』(東京国立博物館)
  5. 1998年 – 第50回
  6. 2012年 – 第64回

類例

正倉院に紫檀木画双六局がある。

模造

1932年(昭和7年)、木内省古により模造されている(参考文献3)。模造品は東京国立博物館が所蔵する。

管理

名称 : 木画紫檀双六局

  • 倉番 : 北倉 37
  • 用途 : 遊戯具
  • 技法 : 木竹工
  • 寸法 : 縦54.3cm,横31.0cm,高16.7cm
  • 材質 :木製紫檀貼 木画象牙・緑染の鹿角?・黄楊木・黒檀紫檀・モウソウチクかマダケ)

参考文献

  1. 飯塚小玗齋(1984)「正倉院の竹工芸について」正倉院紀要第6号
  2. 米田雄介(2019)「すぐわかる正倉院の美術」東京美術
  3. 模造 木画紫檀双六局

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