縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

漆縁籧篨双六局龕(ぬりぶちきょじょのすごろくきょくのがん、Turtle Shaped Covered Cintainer in Mottled Blue Stone)は正倉院に収蔵されている双六盤を格納する容器である。

概要

龕は仏像をおさめる厨子の意味である。過去に2回しか展示されていない。
木画紫檀双六局の外箱で、印籠蓋造りの床脚つきである。胴部と蓋部とで構成され、網代編を木材の板に張り付け、各面と稜線に布を貼り、その上を漆で塗り固める。
底裏と床脚以外は木胎に籐の網代細工を貼り巡らす。網代は表皮を取り除き、細く剥いでいる。紺・紅を染めたものと染めていないものを交えている。

造り

網代編は各面に菱面を作り、1つの菱面の中に4つの小花文を入れる。網代編材は縦材は紺色染材4本と蘇芳染材4本を交互に並べ、蘇芳染の横材で編む。裁断は正確ではない。また菱文に大小の2種類がある。2種の網代面がある理由は不明であるが、飯塚は不正確なものを雑にしている理由は中国製のためではないかとする。唐物に網代製が多いが、雑なつくりがみられることを理由とする。
素材は呉竹ではなく、飯塚は籐であろうと判断した。理由は3点あり、表面が柔らかいこと、表面の維束束が荒れており竹材の表面と異なること、反転部分の両側に皮があり籐と同じ状態であることである。材料が籐であれば、日本の素材ではなく中国製であることを裏付ける。

由来

国家珍宝帳記載の献納宝物1合である。国家珍宝帳]の木画紫檀双六局一具の注に「納漆縁籧篨龕 々裏悉漆」と書かれているものである。

展示歴

  1. 1998年 - 第50回
  2. 2012年 - 第64回

管理

  • 名称 :漆縁籧篨双六局龕
  • 倉番 :北倉 37
  • 用途 :収納具
  • 技法 :木竹工
  • 寸法 :縦65.5 横39.7 高33.7
  • 材質:木製・籐の網代編貼 他は漆塗

関連宝物

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』奈良国立博物館
  2. 飯塚小玕齋(1984)「正倉院の竹工芸について」正倉院紀要第6号,pp.29-30

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