縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

西嶋定生(にしじま さだお、1919年6月25日 - 1998年7月25日)は日本の歴史学者、中国史学者である。東京大学名誉教授。

概要

日本の東洋史学界をリードする。第13期日本学術会議会員。中国前近代史、東アジア史の権威であった。古厩忠夫は東京大学を定年退官する西嶋定生を新潟大学に迎えるため、甘粕健とともに我孫子の自宅を訪れ、り好きの先生を説得しようと「新潟の海は鯛の釣り場が…」とにわか仕込みの宣伝を始めると、先生は「あそこは粟島のタイと佐渡沖の…」と立て板に水の如く釣り場を列挙したという。東洋文化講座設立のため、講座の柱になるスタッフとして招聘した。就実女子大学の図書館開設の際、貴重な約2万冊の蔵書を寄贈した。東洋史関係が中心で、『二十四史』『清史稿』『四部叢刊』をはじめとする漢籍や、古代史、考古学等日本史関係の和書、専門誌であった。西嶋による冊封体制論は著名であり、冊封に着目することによって東アジア諸国の間に相互連関関係があることに一定の回答を与え、「東アジア世界」という「その中で完結した世界」の存在を提唱した。

経歴

  • 1919年、岡山県に生まれる。
  • 1942年、東京大学文学部東洋史学科卒業。
  • 1943年、東方文化学院研究員
  • 1949年、東京大学文学部東洋史学科助教授
  • 1961年、文学博士(二十等爵制の研究)
  • 1967年、東京大学文学部教授
  • 1980年、定年退官、名誉教授。
  • 1980年、新潟大学教授。(1985年まで)
  • 1986年、就実女子大学教授
  • 1998年、逝去。79歳。

著書

単著

  • 西嶋定生(1961) 『中国古代帝国の形成と構造 二十等爵制の研究』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1969)『中国経済史研究』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1981)『中国古代の社会と経済』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1983)『中国古代帝国の秩序構造と農業』岩波書店
  • 西嶋定生(1983)『中国古代国家と東アジア世界』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1985)『日本歴史の国際環境』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1993)『邪馬台国と倭国―古代日本と東アジア』吉川弘文館
  • 西嶋定生(1995)『倭国の出現―東アジア世界のなかの日本』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1995)『中国史を学ぶということ―わたくしと古代史』吉川弘文館
  • 西嶋定生(1997)『秦漢帝国』講談社
  • 西嶋定生(2000)『東アジア史における国家と農民』山川出版社
  • 西嶋定生(2002)『西嶋定生東アジア史論集〈第1巻〉中国古代帝国の秩序構造と農業』岩波書店
  • 西嶋定生(2002)『西嶋定生東アジア史論集〈第2巻〉秦漢帝国の時代史』岩波書店
  • 西嶋定生(2002)『西嶋定生東アジア史論集〈第3巻〉東アジア世界と冊封体制』岩波書店
  • 西嶋定生(2002)『西嶋定生東アジア史論集〈第4巻〉東アジア世界と日本』岩波書店
  • 西嶋定生(2002)『西嶋定生東アジア史論集〈第5巻〉歴史学と東洋史学』岩波書店
  • 西嶋定生(2002)『歴史学と東洋史学』岩波書店
  • 西嶋定生(2000)『東アジア史における国家と農民―西嶋定生博士還暦記念』山川出版社

共著

  • 鈴木俊,西嶋定生 編(1957)『中国史の時代区分』東京大学出版会
  • 西嶋定生(1967)『東洋史入門』有斐閣
  • 西嶋定生, 楊寛 (1981)『中国皇帝陵の起源と変遷』学生社
  • 西嶋定生 (1983)『奈良・平安の都と長安―日中合同シンポジウム古代宮都の世界』小学館
  • 西嶋定生 ,白石 太一郎他 (1987)『空白の4世紀とヤマト王権―邪馬台国以後』角川書店
  • 西嶋定生(1991)『大和政権への道―古代史シンポジウム』日本放送教育協会
  • 西嶋 定生, 李 成市 (編,2000)『古代東アジア世界と日本』岩波書店

参考文献

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