縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

墨画仏像(すみえぶつぞう)は、正倉院に保存されている墨絵による仏画である。
「麻布菩薩」、「墨絵菩薩像」とも言われる。

概要

雲に乗り菩薩の姿を麻布に墨1色で描いた白描の仏画である。2枚の麻布を上下に並べて縫い、正方形の画面を作り仏像を描く。麻布は2枚とも両耳を有し、1幅は約70cm。繊維を側面から見ると、直状の立体的で、節がみられる。繊維断面は多角形が多い。デンプンにより加工されている可能性がある。繊維側面および横断面の特徴から大麻と判定された。
やや斜めを向いて安座する菩薩の印相・姿勢は奈良時代の作例に同種のものがある。風を受けて翻る天衣は、躍動感にあふれる。
これまでの展示回数は14回を数え、他の宝物に比べてかなり多い。人気の高い宝物といえよう。

管理

  • 名称:墨画仏像
  • 倉番:南倉 154
  • 用途:仏具
  • 技法:染織
  • 寸法:縦138.5 横133
  • 材質・技法 :麻布(大麻) 墨画

出展歴

  1. 1940年 - 帝室博物館、皇紀2600年記念正倉院御物特別展
  2. 1946年 - 第1回
  3. 1954年 - 第8回
  4. 1959年 - 正倉院宝物展(東京国立博物館)
  5. 1965年 - 第18回
  6. 1972年 - 第25回
  7. 1976年 - 『日本の武器武具』 『王朝美術名品展』 (東京国立博物館)
  8. 1981年 - 特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
  9. 1992年 - 第44回
  10. 1995年 - 第47回
  11. 2005年 - 美の国日本(九州国立博物館)
  12. 2010年 - 第62回
  13. 2010年 - 東大寺大仏−天平の至宝−」展(東京国立博物館)
  14. 2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(東京国立博物館)

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2022)『正倉院展 第74回』仏教美術協会
  2. 増田勝彦・ひろいのぶこ・岡田文男・有吉正明(2018)「正倉院宝物特別調査 麻調査報告」『正倉院』紀要]40号 pp.68〜69

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