縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

槃龍背八角鏡(ばんりゅうはいのはっかくきょう,Mirror with Design of Intert Wind Dragons)は、正倉院に保管されている奈良時代の八角鏡である。

概要

国家珍宝帳」に「八角鏡一面 重大六斤一分径一尺七分 槃龍背」(国家珍宝帳)と記載されている聖武天皇遺愛の品である。鋳造により文様を表した白銅製の鏡である。

構成

鏡背文様の中央には蓮葉文を置き、蓮葉に乗る荷葉座付亀形鈕を中心に乗せる。亀を挟んで空間全体に湧き上がる雲を伴って絡み合う双龍が配置される。外周の地には裾野に遊ぶ鴛鴦(えんおう、オシドリ)を配した山岳があり、天には遠山、残る空間には飛雲をちりばめる。縁には八卦文と山岳文を交互に配した外周で囲む。縁に対して、内側の鏡背面は高さが低い。

材質

白銅鋳製の鏡である。舶載品か国産品かは断定しがたいものの、文様は中国の神仙思想を表現している事、鋳造技法の卓抜さ、研磨仕上げ、鋳上りが優れていることから中国製と想定されている。また材質の分析から唐製と考えられている。

管理

  • 名称:八角鏡 槃龍背 第16号
  • 倉番: 北倉 42
  • 用途: 調度
  • 技法: 金工
  • 寸法: 径31.7cm 縁厚0.9cm 重4260g
  • 材質・技法:青銅鋳造(銅約70%・錫約25%・鉛約5%)

出展歴

  • 1956年 – 第10回
  • 1966年 – 第19回
  • 1977年 – 第30回
  • 1981年 - 特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
  • 1992年 – 第44回
  • 2005年 – 第57回
  • 2017年 – 第69回

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展60回のあゆみ』奈良国立博物館
  2. 奈良国立博物館(1977)「第30回正倉院展目録」奈良国立博物館

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