臈蜜(ろうみつ)は、正倉院に保存されている蜜蜂の巣の蝋を丸餅状に固めたものである。
概要
材質
用途
臈蜜 第４号
出展歴
臈蜜 第６号
出展歴
臈蜜 第１２号
出展歴
臈蜜 第２１号
出展歴
参考文献
概要 
正倉院収蔵の薬を記録した「種々薬帳」に「臈蜜五百九十三斤四両 并帒／右納第十五 第十六樻」と書かれている。当初は約142キロ・グラムであった。現在でも三百十三斤十三両(85.5kg)が保管されている。
正倉院の臈蜜は円盤状で、中央に空けられた穴に紐が通される。２０個をひとまとまり（一連）としてまとめ、厚さ1.5ｃｍから3cm、直径は10cmから13cmである。
正倉院の臈蜜は円盤状で、中央に空けられた穴に紐が通される。２０個をひとまとまり（一連）としてまとめ、厚さ1.5ｃｍから3cm、直径は10cmから13cmである。
材質
臈蜜は蜜蜂の巣を湯に溶かし、 濾過した「蜜ろう」を固めたものである。
臈蜜の主成分はワックスエステルという化合物、脂肪酸、アルコール、炭化水素である。
現代の東洋蜜蜂、西洋蜜蜂の蜜蝋の酸度、酸化価と比較して、東洋蜜蜂の生産品と考えられている。産地は中国または東アジアが想定されている。
臈蜜の主成分はワックスエステルという化合物、脂肪酸、アルコール、炭化水素である。
現代の東洋蜜蜂、西洋蜜蜂の蜜蝋の酸度、酸化価と比較して、東洋蜜蜂の生産品と考えられている。産地は中国または東アジアが想定されている。
用途
用途としては軟膏の基剤、鋳造用として大仏の修理、硬膏の素材、工芸用として蝋染めなどに使った。中国最古の薬物学書『神農本草経上品』に上薬のひとつとして掲載されており、下痢・膿血などの体調不調、金創（切り傷の治療）、耐老（健康維持）に用いられたと書かれる。蜜蝋を熱で溶かし、生地につけて防染する技法が�痳鬚任△襦Ｋ廟�の材料として、でんぷんではなくミツバチのロウ成分が使われた。
臈蜜 第４号
- 名称：臈蜜 第４号
- 倉番：北倉 97
- 用途：薬物
- 技法：その他
- 寸法：20個 重2870.0（綴紐共） 径13.4 厚2.5（最大） 径7.4 厚2.4（最小）
- 材質・技法 ：
出展歴
- 2007年 - 第59回
- 2022年 - 第74回
臈蜜 第６号
- 名称：臈蜜 第６号
- 倉番：北倉 97
- 用途：薬物
- 技法：その他
- 寸法：20個 重2731.611（綴紐共）
- 材質・技法 ：
出展歴
- 2017年 - 第69回
臈蜜 第１２号
- 名称：臈蜜 第１２号
- 倉番：北倉 97
- 用途：薬物
- 技法：その他
- 寸法：20個 重2943.7（綴紐共）
- 材質・技法 ：
出展歴
- 2017年 - 第69回
臈蜜 第２１号
- 名称：臈蜜 第２１号
- 倉番：北倉 97
- 用途：薬物
- 技法：その他
- 寸法：20個 重2482.2（綴紐共）
- 材質・技法 ：
出展歴
- 1993年 – 第45回
- 2017年 - 第69回
参考文献
- 奈良国立博物館（2022）『正倉院展 第74回』仏教美術協会
- 柴田承二(1998)「正倉院薬物第二次調査報告」正倉院紀要第20号
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