縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

ウワナベ古墳(うわなべこふん)は奈良県にある5世紀?中頃(古墳時代中期中葉)の前方後円墳である。同時期の古墳として東日本最大級の古墳である。

概要

佐紀古墳群?の中で「コナベ古墳→ウワナベ古墳→ヒシャゲ古墳?」の順で築造されたとみられる。前方部を丘陵の先端部にあたる南側に向けている。墳丘は3段築成である。航空自衛隊基地の東側にある。実際の被葬者はあきらかでない。同じ水面でつながる幅の広い周濠が特徴である。
墳丘長は測量図を元にして255mと言われてきたが、最近の調査により大幅に上回る270m〜280mとみられている。盾型周濠が周囲をめぐる。前方部南側で周濠幅は60m。西側に造り出しがある。西にコナベ古墳が隣接する。古市古墳群?百舌鳥古墳群?と共通点が多いため、河内の古墳と密接な関係があると考えられている。

調査

2020年10月から12月にかけて奈良県立橿原考古学研究所と奈良市教育委員会により後円部周濠の調査が行われた。また2020年11月から12月にかけて宮内庁書陵部の墳丘各所の調査が行われた。
  • 奈良県橿原考古学研究所調査(2020年)では、敷石を周濠底から約15cm高位に検出した。
人為的な敷石の可能性も想定している。墳丘端が現況より広がることを確認した。みかけの墳丘裾から9mから10m外側に本来の墳丘端が存在する。
令和2年11月に宮内庁、奈良県立橿原考古学研究所、奈良市教育委員会による発掘調査の結果が発表された。

遺構

遺物

造り出しからは須恵器土師器も小型高杯、鉢、笊型土器、魚形土製品、棒状土製品、杓子形土製品が出土した。奈良県橿原考古学研究所調査で鰭付き円筒埴輪を多く認めた。

規模

  • 全長:270m、
  • 後円部直径:130m
  • 高さ:19.8m
  • 前方部:前端幅160m
  • 前方部高さ:m

指定

展示

アクセス

  • 名称:ウワナベ古墳
  • 所在地: 〒630-8001  奈良県奈良市法華寺町宇和奈辺1823
  • 交通: JR・近鉄 奈良駅 自衛隊行バス「終点」下車 徒歩1分

参考文献

  1. 大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
  2. 青木敏(2022)『古墳図鑑』日本文芸社
  3. 奈良市「ウワナベ古墳の真相に迫る」奈良市民便り,2021年1月
  4. 奈良・ウワナベ古墳の周濠で初の発掘調査へ」産経新聞,2020年9月18日

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