縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

漆葛胡禄(うるしかずらのころく、Lacquered Vine Quiver)は正倉院に収蔵されている矢を格納して背負うための武具?である。「胡籙」とも記す。

概要

胡禄は矢をいれて携帯するための容器である。東大寺献物帳では靫と胡禄とを並記して区別する。古代では葛は蔓性植物の総称とされる。
藤葛を素材とし、そこに黒漆を塗る。編模様は綾杉文で、胡禄の上中下の三か所につけられた革緒は鹿皮製である。柔軟性や耐水性から両面が燻皮と推定される。白革緒のみ後補である。本品付属の箭は48隻が現存する。簳はヤダケ製。鏃は鉄製。
附属する木牌に天平宝字8年(764)9月14日の日付があることから、恵美押勝?(藤原仲麻呂)の乱に際して使用され、その後戻されたとみられる。

展示歴

  1. 1957年 – 第11回
  2. 1970年 - 第23回
  3. 1976年 - 『日本の武器武具』 『王朝美術名品展』 (東京国立博物館
  4. 1992年 - 第44回
  5. 2006年 - 第58回
  6. 2020年 - 第72回

管理

  • 名称 :漆葛胡禄 第11号
  • 倉番 :中倉 4
  • 用途 :武器・武具
  • 技法 :編物
  • 寸法 :長50.5 幅12 矢48隻 矢長73.7〜81
  • 材質:蔓 赤漆塗 やがらはヤダケ 鉄鏃

関連宝物

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展六十回のあゆみ』奈良国立博物館
  2. 出口公長・竹之内一昭・奥村章・小澤正実(2006)「正倉院宝物特別調査報告 皮革製宝物材質調査」正倉院紀要,第28号

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