胡禄は矢をいれて携帯するための容器である。
東大寺献物帳では靫と胡禄とを並記して区別する。古代では葛は蔓性植物の総称とされる。
藤葛を素材とし、そこに黒漆を塗る。編模様は綾杉文で、胡禄の上中下の三か所につけられた
革緒は鹿皮製である。柔軟性や耐水性から両面が燻皮と推定される。白
革緒のみ後補である。本品付属の箭は48隻が現存する。簳はヤダケ製。鏃は鉄製。
附属する
木牌に天平宝字8年(764)9月14日の日付があることから、
恵美押勝?(藤原仲麻呂)の乱に際して使用され、その後戻されたとみられる。
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